食を考える中で、長い歴史の中で培われた膨大な実績に基づく‟薬膳”だけではいけない何か?!

昨日は黒豆という食材を取り上げて、薬膳、栄養素、腸内細菌のエサとしての見方が出来、1つの方向からではなく総合的に見るべきだと言う話しを致しました。

今日はこの部分をもう少し突っ込んでみたいと思います。

まず、薬膳については、中医学(東洋医学)の理論が根底にあり、食材や中薬(食材よりも薬効を持つもの)を用いて、健康の維持や増進、疾病の予防、治療、回復を目指すものとされています。

薬膳は元来、食材や中薬が持っている五気六味、食材や中薬がどの臓器に影響を与えるのかという帰経、効能、そしてそれを応用したものを、個人の年齢や性別、体質、体調、生活環境などに合わせて食生活に生かすべきものです。

そこには、長い歴史の中で数えきれないくらいの人が食してきた、膨大な実績に基づいています。

中医学の理論が現代に則しているかどうかはここでは別にして、過去2000年以上の実績に基づいていることは確かです。

例えば、風邪薬で知られる葛根湯は、2000年近く前に張仲景により書かれた「傷寒雑病論」にその処方が掲載されていますが、現代でもその処方は守られており、日常的に風邪薬として市販されています。

飲用者が、葛根湯を正しく理解して服用しているかどうかは微妙ですが、少なくとも葛根湯で症状が緩和した方がいて、現代でも漢方薬として生かされているのは事実です。

葛根湯についての科学的根拠を表す論文があるかどうかは確認できていませんが、五苓散や麻黄湯をはじめ多くの漢方薬や組成される生薬についても科学的根拠に基づく論文は多々あります。

ただ、薬膳や漢方だけに頼るのではなく、栄養素や腸内細菌のことも考慮して総合的に食を考えるべきだと思いますし、腸内細菌が及ぼす影響が予想以上に大きいことは、昨日のコラムでも述べたとおりです。

私自身も国際薬膳師という立場でありますので、薬膳や漢方を最も重視すべきなのかも知れませんが(笑)、人の身体の仕組みや腸内細菌の存在を知り得たため、総合的に食を考えるべきと言う結論に至っております。

まずはこれらを踏まえたところで、科学的根拠に基づく、栄養素や腸内細菌の視点からも明日見て行こうと思います。

*ちなみに、漢方や漢方薬という漢方医学は、中国から伝わり日本の気候や生活に根付いた日本独自のものです。

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