短鎖脂肪酸は日々の食事から摂取出来ないのか???
1月18日のコラムで、「腸内細菌がつくる短鎖脂肪酸」と表題でアップしていますが、今日はまた別の角度から短鎖脂肪酸を取り上げたいと思います。
というのは、短鎖脂肪酸を産生する腸内細菌は非常に多く、この短鎖脂肪酸は免疫機能に深く関わっているため、腸内細菌と免疫という視点でいくと、短鎖脂肪酸はどうしても切り離して考えることが出来ないのです。
先日から、属レベルで腸内細菌をいろいろと調べていまして、その特徴を把握していくと、短鎖脂肪酸の中の酪酸や酢酸、そして大きなくくりで短鎖脂肪酸にいきつきます。
例えば、酪酸産生菌と言われる、Faecalibacterium(フィーカリバクテリウム)やRoseburia(ロゼブリア)、Blautia(ブラウティア)、Prevotella(プレボテラ)、悪玉菌でない日和見菌に属するClostridium(クロストリジウム)などです。
それぞれについては、また、改めて触れていくとして、少し短鎖脂肪酸についておさらいしたいと思います。
短鎖脂肪酸とは、脂肪酸のうち炭素数が2~6の脂肪酸の総称をいいます。画像は、その化学式を表記しています。
なかでも、炭素数が2~5の直鎖脂肪酸である、酢酸、プロピオン酸、n-酪酸などは、食品から直接摂取される短鎖脂肪酸になります。
酢酸は魚醤油、佃煮、や食酢や一部の酒類など発酵食品中に含有量が高く、酪酸もまた、その多くが油脂類や乳類のうちバターやチーズにおいて含有量が高いです。
このように、短鎖脂肪酸はその時々で直接食品から摂取してはいるものの、生体内での食事からの短鎖脂肪酸の摂取吸収の寄与は一時的なもので安定したものとは言えないようです。
では、どこから人は短鎖脂肪酸を吸収し、短鎖脂肪酸の様々な働きを活かしているのでしょうか?
言うまでもなく、腸内細菌の産生により一定の供給源になっているのです。
食物繊維に代表される難消化性多糖を基質として腸内細菌の発酵により生じる短鎖脂肪酸が、その源になっているんですね。
免疫機能に大きな影響を及ぼす短鎖脂肪酸ですが、小腸での元来、人が持つ免疫機能に加えて、腸内細菌も短鎖脂肪酸を使って深く免疫力に加担していることがよくわかります。
明日からは、個別に腸内細菌を見て行こうと思います。
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