免疫チェックポイント阻害剤、テセントリクについて

日々、免疫チェックポイント阻害剤についてコラムを書いておりますが、今日は、昨日までのオプジーボやキイトルーダのPD-1阻害剤ではなく、PD-L1阻害剤について見ていきます。
PD-1とPD-L1の違いについては、これまでのコラムでもご紹介して参りましたが、改めてPD-L1についてを簡単に触れておきます。
がん細胞は表面に「PD-L1」という物質を出しますが、このPD-L1が、がん細胞を攻撃する免疫細胞の表面にある「PD-1」という物質に結合すると、免疫細胞の働きにブレーキがかかり、免疫細胞はがん細胞を攻撃できなくなってしまうというメカニズムでした。
このメカニズムを崩すのが、今回ご紹介する免疫チェックポイント阻害剤のテセントリクことアテゾリズマブになります。
テセントリクは、PD-L1阻害剤(抗PD-L1抗体)ですので、がん細胞の表面に出たPD-L1に結合し、がん細胞が免疫細胞の働きにブレーキをかけないようにします。そうすることで、免疫細胞が攻撃力を取り戻しがん細胞を再び攻撃することを狙うというわけです(一部中外製薬の取説から引用しています)。
対象がんは、肺がん、乳がん、肝臓がん、腎盂・尿管がん(第3相の段階)、前立腺がん(第3相の段階)です。
製造元の中外製薬に薬価は、1瓶1200㎎で563917円で、基本は3週間に1回投与することになります。
対象がんの中で、肺がん、肝臓がんのケースでは、アバスチンというお薬と併用する治療が行われています。このアバスチンについては、明日のコラムで詳しく触れて行こうと思います。
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