えっ!?人の糞便を自分の腸内に移植するって・・・
昨日は、親子でお風呂に入っていたら、子供に腸内細菌が“うつる”っていう話しでした。
その応用編が今日の話しになります。
腸に様々な病気を持っている人は、腸内環境の改善が必要なケースが多々あります。
「糞便微生物移植」という方法を使って、現代医療ではその改善が行われています。
ではどのような方法なのでしょうか?
文字通り、健康な人の糞便から取り出した微生物叢を、患者さんの腸内に移植する治療法です。
方法としては、ドナー(糞便提供者)の糞便を生理食塩水と混ぜ、ろ過して微生物叢を抽出し、大腸内視鏡を使って患者さんの大腸内に散布します。
日本では、再発を繰り返しているClostridioides difficile(クロストリジウム・ディフィシル)関連下痢症・炎症性腸疾患・過敏性腸症候群などの患者さんに試みが続けられています。
ただ、健康な人の糞便と言っても、腸内細菌自体が未だ未知の部分を秘めたものです。
腸内に棲息する腸内細菌は1000種類とも言われ、そのうち400種類くらいしかその特徴や人体に与える影響などが明らかにされていません。理想的な腸内細菌の持ち主というのが、果たしてどのような腸内細菌叢を形成している人なのかも、良く分かっていないのが現状です。
しかし、明らかに腸内疾患を患う人にとっては、一日も早く治療したいのは当然のことですよね。
いま世界の研究者が競って研究を深めているのが、この腸内細菌の分野です。
誰もが簡単に人の糞便を移植できる時代がもうそこまで来ているのかも知れませんね。
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