がん治療に用いられる免疫チェックポイント阻害薬も腸内細菌叢によりその有効性が左右される!?

数日前のコラムにて、ラクトバチルス菌が漢方薬の「大建中湯」をエサにして増殖し、最終的に腸炎を抑えるという話しをさせていただきました。理化学研究所の佐藤尚子先生の研究により明らかにされたものです。

このように、腸内細菌が食物繊維や麹、酵母などをエサにすることにより、短鎖脂肪酸などの代謝物を生み出し、人の健康に寄与することは、ここまでのコラムでも様々な例を交えてお伝えしてきました。

このようなことは、腸内の腸内細菌が整っていて初めてエサが有効になり代謝物が生み出されます。

理想的な腸内細菌叢がどのような状態かは、ここでは触れませんが、例えば、前述の大建中湯をエサにすることが確かめられているのは、ラクトバチルス菌でありますから、少なくとも一定量のラクトバチルス菌が腸内に存在もしくは投与(ヨーグルトなどの乳酸菌)し、増殖し免疫機能を高めていると推測されます。

先日、慶応義塾大学の福田真嗣先生の講演の模様を聞く機会がありました。

その中で、がん治療に用いられる免疫チェックポイント阻害薬が、人により効果が出る場合とそうでない場合があること、そしてそれが、腸内細菌叢により影響を受ける話しをされていました。

免疫チェックポイント阻害薬は、京都大学の本庶佑先生が2018年にノーベル生理学医学賞を受賞されたT細胞の活性を抑制する研究から生まれた新世代のがん治療薬に位置づけられているものです。

従来の抗がん剤の奏効率が5%~10%に対し、免疫チェックポイント阻害薬については20%~30%の効果が見られており3倍程度の有効性が認められています。

では、逆に70%~80%の方には無効なのかということになります。ここで、腸内細菌叢の話しが出て参ります。

これらの方たちには、どのような方法が用いられるのか?!それは、明日のコラムで書きたいと思います。

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