トマトが中医学でいう清熱解毒の働きを持つことは、リコピンと関係しているのか?

今日のコラムは昨日の続きですが、トマトは中医学ではどう見ているかをお伝えできればと思います。
トマトは体の熱を取り除く作用を持つ‟清熱類”の食薬になります。清熱類の食薬は主に裏熱証を治療する食薬です。裏熱証とは、体の中に悪い気が入り込むことで熱や炎症が強く出ている状態のことで、その熱や炎症を取り除く作用がある食薬と言うことになりますね。
ここで言う悪い気は、ウィルスや細菌のように外から入り込んでくるものと、体の中で作られる悪い気、例えば、気や血の流れが悪くなったときに生じるものも含まれます。
悪い気が酷い状態になるとどんどんと病が進行していくことになり重篤な状態になっていきます。
酷くならないうちにこの悪い気を取り除く、症状としては熱や炎症を抑える食薬ですが、どちらかと言うと体の内側から生じる気分の熱を取り除くのが、清熱瀉火類の食薬になります。
この気分の熱はその原因から、急性の炎症ではなく、慢性の炎症を抑える食薬と取れなくものないです。
トマトの場合は、清熱瀉火の作用に解毒の働きも加えた、清熱解毒類に属しますから、熱が強くなり毒が生じている際に用いる食薬ということになります。
毒と表現していますが、例えば、咽喉の腫れや痛み程度でも毒が生じていると見ますので、すぐに重篤になる症状を指すわけではありません。
トマトは、寒性よりやや弱い微寒性で甘味、酸味の性味を有しています。帰経は、肝、脾、胃となります。
効能は、清熱解毒に加え、生律止渇、健胃消食、涼血平肝、そして、食欲不振の時や高血圧にも良いとされています。
一時的な熱や炎症を抑えるだけだなく、少しずつ浸透してきた熱や炎症を抑える、それが中医学でいうトマトの特性と言うことになりますね。
リコピンの働きを表しているような気も致します。

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