今年の7大テーマの第1位「腸活は‟菌の代謝リレー”を理解し、菌へのサポートがないと逆効果になるかも!?」
ここまで6回に渡り、今年(2024年)私が書き綴ってきたコラムの7大テーマをランキングで発表して参りました。今日はいよいよ最終回の第1位となりました。
すでにタイトルで内容は明らかになっておりますし、画像も運動会のバトンリレーのイラストです。
ここまで、今年1年私のコラムを読んでいただいた方は、このバトンリレーが何を表しているのかはご存じだと思います。
第1位は、菌の代謝リレーについてです。これは国澤準先生の研究から抜粋していますが、私にとっては、腸内細菌を考える中ですべてに納得のいく内容となったものです。
これまでのコラムでも何度も詳しく書いて参りましたが、ここで改めてお伝えできればと思います。
腸内細菌は食物繊維などをエサにして、私たちの体に有益な短鎖脂肪酸を生み出している!ということなのですが、実はその工程は複雑で、この反応には複数の菌が関わっているのです。
まず、私たちは食物繊維やオリゴ糖などを口から摂取します。これらは私たちが消化酵素を持たないため分解されずに腸に送られます。そこで、食物繊維を好物にしていて糖を作り出す糖化菌が食べます。
糖化菌がいない場合や、不活性な場合は糖に思うように分解されないこととなり、便秘改善のために食物繊維を摂取しても、便が詰まることになり逆効果となる場合もあります。
次に、この糖を材料に、乳酸菌が乳酸をビフィズス菌は乳酸と酢酸を生み出します。そして別の菌によって乳酸や酢酸から短鎖脂肪酸のプロピオン酸や酪酸が生み出されることになります。
このように、食物繊維から菌たちがリレーしていって、形を変えながら最終的に短鎖脂肪酸を生み出しているのです。
では、私たちはこのリレーを成立させるためにどのようにすればいいのでしょうか?
糖化菌は、麹や酵母、納豆菌などがこれに該当します。具体的には麹の含まれている酒粕や納豆などを摂取することで乳酸菌やビフィズス菌にバトンを渡せます。
乳酸菌やビフィズス菌は、人により腸内にいる数や機能しているかどうかは個人差があります。乳酸菌が含まれる食材や腸まで届くビフィズス菌ヨーグルトなどを摂取してバトンをつなぎましょう。これまでのコラムでもメーカー別にビフィズス菌ヨーグルトの説明はしていますので参考にしてください。
そして、最後に腸内にいる酪酸菌につないでいきます。酪酸菌の保有に関しても個人差があります。仮に少なければ腸内環境を整えて地道に増やしていくしかありません。悪玉菌が多いと酪酸菌は住めなくなります。お肉の摂取を加減して酪酸菌を守ることも大事だと思います。
このようにしっかりバトンリレーできる腸内環境が整えば、後は食物繊維やオリゴ糖などを積極的に摂取していきます。漢方薬などの効き目も違ってきます。生薬の配糖体なども糖化菌により次にバトンをつなげられますからね!
この菌の代謝リレーに関する考察は、今年、私が最も納得がいき、腸内細菌や腸内のメカニズムが見えるきっかけになりました。
そして何より、個人によって食べるものは選択していく必要があることを改めて感じさせるものでした。
今後、何を食べるのがいいのか?をオーダーメイドでプログラム化していく予定をしています。2025年の課題は、この菌の代謝リレーがベースになるかと思います。
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