今年の7大テーマの第2位「お肉は摂取すべきか否か?を栄養素と腸内細菌の両面から考えてみた!」
今日も引き続き、今年のコラムの中で‟これ!”というテーマをランキング形式で取り上げます。今日は、第2位のテーマとなります。
今回のテーマは、お肉を摂取すべきか否かです。
私が腸内細菌のことを知るようになってから、お肉は最大の‟敵”と言う印象をずっと抱いておりました。しかし、栄養学の観点からいくと、お肉ほど栄養が豊富な食材はありません。
栄養素に関するコラムも3月28日に書いた、「人に必要な9大栄養素とは?」というコラムを皮切りに、炭水化物、たんぱく質、脂質、ビタミン、ミネラルと言うように、順を追ってどのような食材にどのくらいの含有量があるかを書いて参りました。
これらのコラムからもお肉は、栄養素の絶対値が野菜や穀類、芋類などに比べて高い数値を示します。例えば、鉄分が不足しているとほうれん草を食べるように指導されますが、鶏肉の方が鉄分は何倍も多く含まれているのです。
しかし、お肉は腸内細菌の視点で見れば、Fusobacterium(フゾバクテリウム)やStreptococcus(ストレプトコッカス)、Sutterella(ステレラ)などの悪玉菌を増やすことになります。
私たちの腸内細菌検査でも、これらの悪玉菌をたくさん保有している方は、下痢や便秘など腸に何らかの症状が出ている方がほとんどです。そして、共通しているのがお肉が大好きで、毎日とは言わなくてもかなりのペースで摂取されているのです。
ただ、このお肉の摂取量や、摂取するペースで判断するのは、どうも違うのではと思うようになりました。お肉はたんぱく質や脂質が主な栄養素となりますが、これらをこなしてくれる消化酵素が十分に足りていれば、大腸にまで不要な脂が行きつくことなく悪玉菌は増えないことになります。
もちろん消化酵素の分泌には個人差がありますし、能力の問題もあります。また、摂取し過ぎるといくら消化酵素が優秀でもこなせなくなります。
では、どこでそれを判断するかですが、日々の胃腸の調子はもちろん、腸内細菌検査で悪玉菌がどのくらい棲息しているかをチェックすることも必要かなと思います。
過去のコラムでも触れていますが、私たちの検査でも、潰瘍性大腸炎の方などの腸内細菌はフゾバクテリア菌などの悪玉菌が多数を占め、健康診断でも悪玉コレステロールや中性脂肪が極端に悪い数値を示していることが多いです。
この1年の間、お肉を摂取すべきかどうかを何回かに渡り「お肉論争!」と銘打って、テーマとして取り上げ考えてきましたが、結論は、消化酵素がこなせる範囲でお肉は摂取し、悪玉菌の様子を伺いながら胃腸や便の状態をチェックすべし!と言うこととなりました。
画像にも載せていますが、ステーキなどお肉類は私も大好きです。ただ、若い頃と比べると食べられる量は減っています。体が消化しきれない、消化酵素の働きが落ちていることを本能的に認識しているのではと思います。
食べることはOK!でも、場合によっては、‟ほどほどに”ということでしょうね!
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