普段飲んでいる漢方薬はいつごろできたものなの?!
昨日のコラムで熱性便秘の方剤(漢方薬)は「麻子仁丸」、冷性便秘の方剤は「温脾湯」を処方すると書きました。
今日は、この2つの方剤について、歴史的なことから見てみたいと思います。
まず、「麻子仁丸」ですが、漢の時代に張仲景という人が書いた『傷寒論』に記載されている方剤になります。私は学生のころから世界史が不得意で歴史的な感覚がよくわからず、時代背景もその時に活躍した人物も正直ピンときません。しかし、調べてみることは容易に出来ますから、ちょっと調べてみると、漢の時代は紀元前220年頃から423年続いた時代らしく今からざっと2000年前のころらしいです(笑)。日本は稲作が全国で行われだした弥生時代のころです。
驚きなのは、2000年前に処方された漢方薬が今の世にもそのまま使われていて、Amazonで買えば明日届くということです(笑)
もちろん、傷寒論に記載されるまでの何年もの間、色々と試行錯誤され、時には死に至った人もいたでしょう、そんなリスクを乗り越えてここまで生き残ってきたとも言えます。
よって、恐ろしい人数の方が治験というか、実際に処方され、治ってきた経緯があるともいえるのです。
漢方薬がなぜ効くのか?と言われると、これまで数えきれない人が試してきて効果があったからと言うことでしょう。
ただそれだけではなく、漢方薬の効果を科学的に解明している先生たちもたくさんいらっしゃいます。それは、以前に「五苓散」のところでコラムに書きましたが、東京理科大の薬学部の先生が「五苓散」だけでなく「麻黄湯」など、他の漢方薬も科学的な見地でみて、その効果の根拠となることの証明をされています。
次に、「温脾湯」ですが、こちらは『備急千金要方』という孫思邈という唐の時代(618年~907年)の時代に生きた人が書かれた書物に記載されているものです。傷寒論のように2000年前ではないのですが、それでも1200~1400年くらい前ですね?!この『備急千金要方』には約5300種に上る処方が記載されていました。その中の1つが「温脾湯」というわけです。
では、これらの方剤を組成する生薬はどんなものなのでしょうか?
明日のコラムで詳しく書きたいと思います。
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