腸内に棲息するビフィズス菌とヨーグルトから摂取するビフィズス菌って!?

昨日のコラムでは、腸内細菌検査において現在用いられている「16S rRNA 菌叢解析」について、少し詳しくお伝えしました。

今日からは、その検査結果で得られる腸内細菌を種類ごとに見て行こうと思います。

私どもの検査では、36種類の腸内細菌が属レベルで測定できます。‟属”よりも詳しい分類はもう一段階枝分かれして‟種”になります。

まずは乳児の善玉菌の95%がビフィズス菌だと言われておりますから、赤ちゃんに根付くビフィズス菌について見て行こうと思います。

実際に私たちの検査でも乳児はもちろん、年齢が若いほどビフィズス菌の割合が多いのが特徴です。逆に言い換えると年齢が上がっていくにつれて、ビフィズス菌の割合は減少し、高齢者はほとんどビフィズス菌は腸内にはいなくなります。

もちろん、ビフィズス菌に代わる酪酸菌など他の有用菌が腸内を占拠してくれていれば、何の問題もありません。むしろ、有用菌は多種にわたるほど良いと言われています。

ここで、有用菌と言う表記をしましたが、以前は善玉菌:悪玉菌:日和見菌という表記で2:1:7の割合がいいとされていました。しかし、最近は日和見菌がどんどんと解明されてきたこともあり、有用菌:有害菌と表現する研究者も多いようです。

それでビフィズス菌ですが、正式にはビフィドバクテリウム属で種に分けると、ロンガム、ブレーベ、ビフィダム、インファンティス、アドレセンスなどが腸内に棲息する主なビフィズス菌として上げられます。

現存するビフィズス菌としては、50種類くらいだと言われています。この中で、人の腸内には2~4種類くらいいるイメージでしょうか。

先ほど乳児にはビフィズス菌が多くいるとお伝えしましたが、ロンガム、ブレーベは乳児に多く棲息しています。ヨーグルトにおいては森永乳業のビフィダスがBB536株(ロンガム)、ヤクルトのミルミルがブレーベを、赤ちゃんの腸内から摂ったビフィズス菌を使っています。

ただ、これらヨーグルトから摂取したビフィズス菌が腸まで生きたまま届くのかどうか、届いたとしてもどのくらいの割合が届くのか、ヨーグルトを開封して数日経ったものは果たしてビフィズス菌は生きているのかどうかなど、疑問点はたくさん出て参ります。

これに関しては、メーカーの表記が正しいものとして理解するしかないのですが、開封して空気(酸素)に触れたヨーグルトはおそらくビフィズス菌自体は死菌になっているかと思います。(ビフィズス菌は嫌気性菌で酸素があると生きていけませんので)

死菌になったとしても、その成分が有効に働くと考えていいかと思いますので(以前のコラムでお伝えしていますし、また改めて後日お伝えします)、ヨーグルトを食べる際にはそんなに神経質にならなくてもいいかと思われます。

問題は今現在、腸内に棲息しているビフィズス菌をどう育成して、その構成比をキープするかだと思います。

これに関しては明日のコラムで考えていきたいと思います。

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