虫歯より怖い歯周病が起こる原因を口腔細菌から探ってみた?

今日は昨日に引き続き、口腔細菌で歯周病の原因となるジンジバリス菌についてです。
歯周病は虫歯以上に厄介な歯の病気ですね。歯周病は歯の歯肉(歯茎)に炎症を起こし、進行していくと歯を支える骨を溶かしてしまいます(画像参照)。
磨き残しがあったり、口腔ケアが不十分であると歯垢が歯と歯肉の間に入り込み、炎症を起こしていきます。
これはジンジバリス菌が歯肉のたんぱく質を分解するプロテアーゼ(酵素)を分泌するためだと言われています。
ここで注意深いのが、たんぱく質を分解することで周囲は必然的にアルカリ性に寄ることになります。ミュータンス菌が酸化させるのとは、まったく真逆に寄るのです。
多くの症例では、虫歯と歯周病が同意に起こることは稀です。言い換えると、ミュータンス菌が優勢になれば虫歯になるため、歯周病にはなりにくく、ジンジバリス菌が優勢になれば、歯周病を発症するため虫歯にはならないということが言えます。
日本では、縄文時代中期以降、稲作が起こり、狩猟によるたんぱく質中心の食から穀類の炭水化物中心の生活に激変しました。これに伴い、糖質をエサにするミュータンス菌が口腔内で増殖し虫歯が増えたのに対し、歯周病の割合が減ったとも言われています。
これは動物が実は歯周病に悩まされていると言うことを見ても、明らかな事象だと思われます。
もちろん口腔ケアをしっかり行って、ミュータンス菌やジンジバリス菌が増殖しないように心掛け、虫歯や歯周病にならないことが一番であることは言うまでもありません。
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