高分子の非発酵性食物繊維である‟フコイダン”を代謝分解できる日本人の食生活とは?

今日も引き続き、水溶性食物繊維の中で、腸内細菌がダイレクトに分解出来ない非発酵性食物繊維を取り上げます。
今日は「フコイダン」です。
フコイダンは海藻に含まれているヌメリ成分の1つになります。元々は高分子ですので、そのままでは腸内から消化吸収されることはありません。人は食物繊維を分解する消化酵素を持ち合わせていないためです。
そして、水溶性食物繊維ですが非発酵性食物繊維であるため、腸内細菌がダイレクトに分解することもありません。
では、どうして代謝分解されるのかと言いますと、菌の代謝リレーにのって、段階的に分解されています。これは腸内細菌叢の違いや食べるものにより、個人差があります。
菌の代謝リレーですから、海藻内の高分子のフコイダンが、糖化菌で糖化されたり、乳酸菌、ビフィズス菌がその糖化されたものを酢酸やプロピオン酸に変え、酪酸産生菌が酪酸などの短鎖脂肪酸に変える、一連のリレーの中で代謝されていきます。
よって、その時々により効率的に分解される場合もあれば、そうでない場合もあります。
フコイダンを無駄にしないためにも、人工的に低分子化して消化吸収する状態にする研究が続けられ、一部サプリメントでも製品化されたものもあるようです。
これはフコイダンに関わらず、他の非発酵性食物繊維についても行われているようです。
海藻に関しては、日本人は大昔から食物繊維部分を腸内細菌が代謝分解する腸内細菌叢を持っていると言われています。これは、必ずしもダイレクトに腸内細菌が分解するのではなく、発酵食品(糖化菌や乳酸菌を含む食品)を務めて摂取するために、菌の代謝リレーがスムーズに行われてきたためと見るべきなのでしょう。
お味噌や米麹、納豆、漬物を務めて摂取することは、理にかなっていたと言うことですね!
画像は昔ながらの味噌蔵です。
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