<なぜ漢方薬が効くのか?>生薬に含まれるアルカロイドという植物中の毒性物質が様々な漢方薬の薬効の源になっています!
昨日は、漢方薬が腸内細菌叢によってその効き目が左右されるということ、また、生薬のなかの配糖体を腸内細菌が発する酵素で分解することで代謝物を生み出し薬効が得られるという話しをいたしました。
今日は、生薬の配糖体以外の成分で、そのまま吸収されるものを上げたいと思います。
そもそも、生薬の中でそのまま消化酵素により吸収されるものの中に、アルカロイドという物質があります。アルカロイドは、植物が作り出す微量成分で毒性を持ち合わせています。多くの有毒な植物にはこのアルカロイドが含まれています。
これまでに27000種類以上のアルカロイドが発見されているのですが、具体的には、ニコチンやカフェインがこれに当たります。
このアルカロイドは、多量に摂取すると死に至ることもありますが、適量だとニコチンやカフェインに見られるように、眠気を取ったり体に良い効果を示すのです。
よって、漢方薬にこのアルカロイドが含まれている生薬を配合していることは珍しくありません。
例えば、麻黄(画像)に含まれるエフェドリンや附子(トリカブト)に含まれるアコニチンも、アルカロイドなのです。麻黄を使った麻黄湯はインフルエンザの時に、まず最初に処方される漢方薬ですし、附子が含まれる八味地黄丸や牛車腎気丸は、痛みを抑える鎮痛効果があります。
まさに、大量に摂取すると死に至りますが、適量を加工されていれば薬効があるということになります。
漢方薬の生薬が腸内細菌のエサになる配糖体部分と、配糖体以外の成分(アルカロイドなど)が消化酵素により吸収される部分とに分かれることまでは、昨日今日のコラムで触れました。
では、漢方薬がどのような環境だと消化吸収代謝されやすいのか?を明日お伝えできればと思います。
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