<大腸がん>口腔内にいるフゾバクテリア菌が腸内に移行し、大腸がんを引き起こしているとな!?
今日は、腸内細菌と大腸がんについてお話ししたいと思います。
大腸がんについては、9月後半のコラムで何回にも渡りお伝えしてきました。私の母が大腸がん手術を受け、その予後について、大建中湯という漢方薬とラクトバチルス菌の摂取の関連性についても触れました。
今日は、その大腸がんになる原因について、腸内細菌との関連性をお伝えしたいと思います。
腸内細菌と大腸がんについては、世界中で多くの研究が成されてきました。特に注目され関連が深いとされているのが、Fusobacterium nucleatum です。
2012年に発表された論文では、大腸がん患者の腫瘍組織と隣接する正常組織を比較すると、腫瘍組織でFusobacterium nucleatumが豊富に存在することが報告されています。
Fusobacterium nucleatumは口腔細菌として知られていますが、腸内に存在するFusobacterium nucleatumとゲノム解析では類似性が認められ、ほぼ同じものとされています。
と言うことは、Fusobacterium nucleatumが腸内にどのように移行しているのかとなりますが、血行性(血液に乗り)経路と消化管経路が考えられています。
いずれにしても、口腔内の細菌が大腸に移行し、大腸がんの原因になっているとしたら怖い話しです。
もちろん、大腸に移行しても大腸内の善玉菌優勢であれば、悪玉菌のフゾバクテリア菌(Fusobacterium nucleatum)が増加し続けることはありません。
フゾバクテリア菌はお肉の摂取過多などが原因で増加していくと言われております。このコラムでも何度もお肉の摂取については議論して参りました。
少なくとも、フゾバクテリア菌が増加している状態では、お肉の摂取は控えた方が良さそうです。
ちなみに、Fusobacterium nucleatumは腸内細菌を種レベルで見たものです。私たちが行う腸内細菌検査(16SrRNA遺伝子分析法)では、属レベルFusobacterium 属までを把握します。
私たちの検査でFusobacterium 属が多かった方には、もちろん大腸がんの注意喚起はしております。
(私の母は、腸内細菌検査をする前に便秘になり大腸がんが見つかりました)
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