<漢方薬>逆流性食道炎に効く、もう一つの漢方薬、‟半夏瀉心湯”とは?
今日も逆流性食道炎に効く漢方薬の話しの続きとなります。
ツムラの六君子湯は原典に表記されている‟白朮”ではなく‟蒼朮”を使っている話しをしました。その理由は蒼朮の方が利湿作用に優れているからだと、お伝えしました。
ツムラ以外の漢方薬のメーカーはどうやらクラシエ含め白朮を使っているようです。となると、昨日までのコラムでいうと、ツムラ以外の六君子湯は逆流性食道炎への効果は薄れるのかなと思います。
逆流性食道炎に効く漢方薬でもう一つ上げるとすれば、画像で表記していますが「半夏瀉心湯(半夏・人参・乾姜・甘草・大棗・黄芩・黄連)」があります。六君子湯とは配合される生薬はほとんど同じですが、注目すべきは蒼朮も白朮も含まれていません。
また、利水作用のある茯苓も含まれません。生薬でいうと清熱燥湿類の黄芩と黄連が含まれています。2つとも燥湿(乾燥や発散で湿を消去する)の作用が強いため、茯苓や蒼朮の作用をまかなう生薬であると言えます。
両者の決定的な違いは、六君子湯が温性の性質を持つ生薬で配合されているのに対し、黄芩と黄連は寒性の性質を持っています。
要するに熱を帯びた湿熱の状態の時に効果があると言うことです。
確かに逆流性食道炎の時は、胸のつかえのような、胸やけのような症状が出ています。熱い味噌汁やスープをよく冷まさないで飲んだあと、少し時間が経過すると食道のあたりに熱さを感じることが何度もありますが、そのような時も効果的なのかと思います。
その時の状態(温めるべきか、冷やすべきか)により、服用する漢方薬は選択すべきかと思います。。
六君子湯も半夏瀉心湯も比較的優しい漢方薬ですので、さほど神経を使わなくても服用可能ですが、甘草が含まれていますので、1日の甘草の摂取量には注意が必要です。漢方薬を飲み合わせする場合は甘草のチェックは必須です。
甘草に関しては10月22日、23日、24日のコラムで詳しく解説していますのでご覧ください。
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