漢方薬の即効性について、お二人の先生に聞いてみました!
昨日、イベントに参加した後、夕方からイベントで講演をされた辻典子先生と八丁堀に移動しました。私が中医学の研究科で薬膳処方を教えていただいていた辰巳洋先生と食事の席で対談していただくためです。
場所は、以前にご紹介したことのある私の行きつけの八丁堀のワインバーです。18時から始まり終わったのが21時過ぎでしたので3時間以上お話しさせていただきました。
いくつかの話しで盛り上がったのですが、私が辰巳先生に今回最も聞いて見たかったのが、漢方薬の即効性についてでした。
具体的には、五苓散や麻黄湯、六君子湯などは、飲んですぐに効果を発揮します。しかし、元来漢方薬は長期間少しづつ作用し、効能が現れるまで1か月とか2か月とかかかるとも言われます。
薬膳などとなると、毎日の積み重ねで体質が少しずつ変わっていきます。疾病に対する即効性はあまりないのです。乾姜は体を温めるなどの即効性はありますが。
この違いについてずっと疑問に思っておりました。画像の書籍は、『薬理学から見た漢方薬』で櫻井裕之先生が書かれたものです。五苓散などの薬理学から見た漢方薬が記載されています。
辰巳先生は、一つ一つの中薬ではなく、漢方薬(方剤)はそれらがまとまって1つの効能となるので、中国では六味地黄丸などが癌に効くという説も研究されてはいますが、まだ研究段階の域を超えていないとの見解でした。
辻典子先生はAI技術でそのあたりは随分とわかるようにはなって来たということでした。
以前に東京理科大の磯濱先生の講演の中で、五苓散についての研究成果の話しがあり、この薬理学の本にも記載されているのですが、やはり一つ一つの生薬については科学的に研究されているのですが、五苓散の5つの生薬の関連性による効能までは研究が進んでおらず、とても奥の深い領域なのだなと感じではいます。
消化酵素のことや、腸内細菌との関連でも、人は皆違った条件の元に漢方薬を服用しますから、同じ条件で統一されたマウスの実験では導き出せないものがあると言うのも頷けます。
昨日は他にも色々と話しがはずみましたが、また、そのあたりはこのコラムでご紹介したいと思います。
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