食物繊維不足を補う「難消化性デキストリン」って何ぞや?

昨日はレジスタントスターチ(難消化性でんぷん)を見て参りましたが、今日はそのレジスタントスターチより分子量が小さい、「難消化性デキストリン」についてです。
難消化性デキストリンは食物繊維の1つですが、食が欧米化してきた日本において食物繊維不足を解消するために、トウモロコシでんぷんなどから化学的に合成されたものとなります。
原料のトウモロコシでんぷんを培焼(加熱してデンプンの構造を化学的に変化させる)し、アミラーゼ(消化酵素)により加水分解します。その中の未分解物を調製した水溶性食物繊維が「難消化性デキストリン」です。
難消化性デキストリンは水溶性食物繊維であるため水に溶けやすく、溶液はほぼ透明で、粘性が低く、異臭味がなく、甘味がわずか(砂糖の10分の1程度)なため、食品に添加して利用しやすい性質を持ち合わせています。
画像は難消化性デキストリンの粉末です。
また長時間水溶液で保存しても濁りや沈殿が生じないという特徴があり、耐酸性に優れ、レトルト処理をしても分解されることなく安定であることが確認されています。
さらに他の食物繊維とは違ってミネラルの吸収を阻害しないだけでなく、吸収促進するとも言われています。
*他の食物繊維がミネラルの吸収を阻害すると言うことに関しては、また後日追求していきたいと思います。
難消化性デキストリンの効能としては、整腸作用(腸内細菌により産み出される短鎖脂肪酸との関連性)や食後の血糖および中性脂肪の上昇抑制作用、そして内臓脂肪の低減作用などの生理機能に注目が集まっています。
トクホや機能性表示食品に含まれている難消化性デキストリンですが、過剰摂取には注意が必要です。摂取用量を守ることはもちろんですが、個人差がありますので、お腹の調子や便の状態をチェックしながら摂取することをお勧めいたします。
規程された摂取用量はあくまでも一般的にと言うことにすぎません。自分自身の腸内細菌叢の構成比により、難消化性デキストリンを使って代謝してくれる腸内細菌が少なければ、その摂取量も調整せざるを得ないのです。
そう言う意味ではしっかりと自分の腸内細菌叢のことを把握して、摂取していくべきかと思います。
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