納豆は少なくとも平安時代から人々の健康を支えてきました?!
先日から納豆の話しは、数回このコラムでご紹介してきました。納豆は栄養価が豊富で、ナットウキナーゼという酵素が身体にもたらす影響、そしてプロバイオティクスとしての働き、加えて芽胞の性質を逆手にとって納豆が作られていることなどにも触れてきました。
今日は、納豆菌としてではなく、納豆のそのものの歴史について見て行きたいと思います。
今回のコラムは、「食品でひく機能性成分の事典」を参考文献にさせていただきます。
まずは、私たちが日ごろ口にしている納豆と言えば、画像にもありますが糸を引く「糸引き納豆」です。蒸した大豆を藁に包んで、藁の自然な納豆菌で発酵させたものですね。(プラスチック容器に入った納豆は納豆菌を振りかけて発酵させたものです。)
では、納豆はいつごろから食べられてきたのでしょうか?
大豆は縄文時代に伝来し、稲作も弥生時代に行われ、藁を利用していました。ですので、その藁と大豆が組み合わさり自然発酵して納豆が生まれた可能性はあります。
納豆という文字が最初に記された書物は、平安時代中期の「新猿楽記」で、そん中の「貪飲愛酒の女」という、食べることも酒を飲むことも好きな女性のお話しに納豆の話しが出てまいります。
これは、糸引き納豆ではなく、塩辛納豆のようで大豆を麹で発酵させ乾燥させた、中国の「豆豉(とうち)」に近いものだったようです。
糸引き納豆が書物に描かれるのは室町時代中期のようですね。
江戸時代には、納豆売りが繁盛するほど庶民の味として親しまれたようですが、藁での発酵時間が短かったため、今ほど糸を引かなかったのではという話しもあります。
藁で大豆を納豆菌で発酵させる場合、納豆菌以外の雑菌の問題が生じます。大正時代以降は純粋培養した納豆菌を用いた、衛生的で安定した納豆の製造方法が確立されました。
今販売されている藁納豆も衛生面では安全なものですので、雑菌問題は解決した製品であることは言うまでもありません。
大昔から納豆菌が人の健康を支えてきたんですねぇ~
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