中医学の‟肝”と現代医学の‟肝臓”を比べてみた!? ≪免疫~肝臓編≫

これまで3回に渡り、中医学の‟肝”と現代医学の‟肝臓”を比べてきましたが、今日は免疫編です。少し長くなりそうですので、今日は<免疫~肝臓編>、明日は<免疫~肝編>としたいと思います。

現代医学でいう肝臓では、免疫細胞が活躍しています。

この免疫細胞には、ウィルスに感染した細胞や老化した細胞を処理するNK細胞や、免疫細胞の指令役として免疫をコントロールしているT細胞がこれに当たります。

また、他には、肝臓のマクロファージと呼ばれる、クッパ―細胞も侵入してきた異物を貪食しています。

マクロファージについては、以前のコラムの中でも少し触れているかと思いますが、マクロファージは白血球の一種で、従来はどのマクロファージも一様と考えられていましたが、臓器や疾患においてそれぞれ特徴的なマクロファージサブタイプが存在し、その機能、特徴が多種多様であることが明らかになってきています。

このクッパ―細胞は肝臓を構成する細胞であり、類洞に存在するマクロファージの一種で、周囲に突起を伸ばし、肝臓の類洞腔の内皮細胞に接着しています。

マクロファージの仲間なので貪食能が盛んであるのは言うまでもありませんが、その役割は多岐にわたっています。例えば、肝動脈などから来た異物や毒素、老廃物などを細胞内に取込み、消化分解や再利用を行うばかりでなく、サイトカインを産生し免疫応答を制御する機能も有しています。

*サイトカインは生体の炎症(異物排除)を促し、免疫反応を活性化したり抑制したりして免疫機能の調整をはかっている

このように肝臓では色々な免疫細胞がそれぞれの働きで身体を守ってくれているんですね。

では、明日は、中医学の肝が果たして免疫機能を有しているのか?肝にないとすれば、他の臓がこれを担っているのか?について触れていきたいと思います。

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