『メチル(目が散る)アルコール』と呼ばれるメタノールの正体とは!?

昨日はお酒に必ず含まれるエタノール(CH₃CH₂OH)についてでしたが、今日はエタノールとその分子構造が非常によく似ているメタノール(CH₃OH)について取り上げます。
メタノールはアルコールの中でも最もシンプルな分子構造(画像)です。エタノールのように飲料としての使用ではなく、化学原料や工業原料として幅広く使用されています。
ただ、メタノールは分子構造がエタノールと似ているたけでなく、味も似ていて飲むと酔うと言われます。
日本でお酒にメタノールが使われることは絶対にありませんが、戦後の日本では酒税のかからない安価なメタノールが使われたお酒が闇で広まり、飲んだ方が死に至ったこともあったようです。現在でも海外ですと使われている可能性は無いとはいえませんね。
「飲むと目がつぶれて死ぬ」と言われていて、『メチル(目が散る)アルコール』とも呼ばれる、飲むと非常に怖いアルコールの一つですが、この目がつぶれるには科学的根拠がございます。
エタノールは飲むと酸化されアセトアルデヒドが発生しましたが、メタノールを飲むとホルムアルデヒドが発生します。そして再び酸化されると、アセトアルデヒドは酢酸になりましたが、ホルムアルデヒドはギ酸になり、最終的には水と二酸化炭素になります。
実はこのホルムアルデヒドとギ酸が人体には猛毒なのです。
では、なぜ目に来るのでしょうか?
目の細胞にはレチナールと言う一種のアルデヒドが入っています。この分子に光が入ると分子の形が変化し視神経が感じ取り光が伝わります。
このレチナールは有色野菜に含まれるカロテンが酸化され作られます。視覚のためには酸化酵素が必要なのです。よって眼の周囲には酸化酵素がたくさんあるため、メタノールが入ってくると酸化されホルムアルデヒドとギ酸が出来るというメカニズムで目がつぶれるというわけです。
安価で味も一緒、酔えるものということで、メチルアルコールを飲むと大変な代償が待っていると言うことですね。
似たようなことで毒キノコも非常に美味しいと聞いたことがあります。
似ているからと手を出す前には何事も確認が必要ですね!?(笑)
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