エネルギーとしてすぐに分解される中鎖脂肪酸について

今日も昨日の続きで脂肪酸についてです。昨日は炭素の数の違いで脂肪酸が短鎖脂肪酸、中鎖脂肪酸、長鎖脂肪酸に分けられると言うことでした。
今日は、中鎖脂肪酸と長鎖脂肪酸の違いを体内への消化吸収経路から見て行こうと思います。
そもそも炭素が多く消化吸収の経路が複雑な長鎖脂肪酸は、エネルギーとしても使われにくく、体に蓄積されやすい特徴を持っています。
中鎖脂肪酸の場合、小腸⇒門脈⇒肝臓と経由し、すぐにエネルギーとして分解されますが、長鎖脂肪酸の場合は、小腸⇒リンパ管・静脈⇒脂肪組織・筋肉・肝臓と経由して、必要に応じてエネルギーとして分解され、それ以外は体内に蓄積貯蔵されます。
脂肪酸は飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸に大別されるという話しでしたが、中鎖脂肪酸はすべて飽和脂肪酸に分類されるため、常温では固体のものがほとんどです。これは飽和脂肪酸が物質的には安定しているため、その多くが含まれる油脂においては、画像のココナッツオイルのように常温では固体を形成しています。
逆に不飽和脂肪酸は物質的に不安定なため、不飽和脂肪酸が多く含まれる油脂は、植物油のように常温では液体の状態にあります。
そして、長鎖脂肪酸は種類が多いため、飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸、いずれも存在しています。と言うことは、常温で固体、液体の両方が存在すると言うことになります。例えば、固体ではバター、牛脂、液体では、オリーブオイル、ごま油などです。
中鎖脂肪酸はエネルギーとして効率よく分解されるため、未熟児や手術後の栄養補給、たんぱく質の摂取を抑えている腎臓病患者、介護中の高齢者、スポーツ選手の食事など、これまで様々なところで重宝されてきました。
体に脂肪がつきにくいと言うのはいいですね!
ただし、中和脂肪酸は飽和脂肪酸ですので、摂り過ぎには注意が必要です。
明日は、長鎖脂肪酸についてより詳しく見て行きます。
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