ビフィズス菌N708株はIL-10やIL-12 を上手くコントロールしながら、お腹の悩みにこたえます!

今日は昨日の続きで、ビフィズス菌のブレーベ種で、Bifidobacterium breve N708 をご紹介します。
このN708株は、日清食品グループが所有している菌種の中から、乳児由来の種株を商品化したもので、現在はタブレットとして販売されています(画像)。
画像にもありますが、「お腹のつらさを和らげお腹の調子を整える」と謳われております。
日清食品グループはHPの中で、化学的な根拠を交えてこう表現しております。
「ビフィズス菌N708は、炎症性サイトカイン※1は増加させないが、抗生炎症性サイトカイン※2を増加させる働きが強いことを免疫細胞であるマクロファージを用いた細胞実験でスクリーニングし発見されました。そのため、ビフィズス菌N708の継続摂取により炎症の緩和が期待されます。」とあります。
※1サイトカインとは、細胞から分泌されるタンパク質であり、細胞間相互作用に関与する生理活性物質の総称。炎症性サイトカインとは、炎症反応を促進する働きを持つサイトカイン。インターロイキン(IL)-12や腫瘍壊死因子(TNF)-αなどがあり、「ビフィズス菌N708株」は、IL-12を増加させないことを細胞実験によって確認している。
※2炎症を抑制する働きを持つサイトカインであり、IL-10や形質転換増殖因子(TGF)-βなどがある。「ビフィズス菌N708株」は、IL-10を増加させる働きが強いことを細胞実験によって確認している。
※3IL-12:炎症性サイトカインの一種。免疫関連細胞を活性化させるが、過剰になると炎症状態の原因となる。
IL-10:抗炎症性サイトカインの一種。過剰な免疫反応(炎症状態)を抑える働きがある。
上記は日清食品グループのHPからの抜粋ですが、要約しますと、N708株は炎症性サイトカインであるIL-12は一定数以上は増加させないで、炎症を抑制するサイトカインであるIL-10は増加させる働きが強いとあります。
要するに免疫活性するIL-12 は適度に抑制し、自己免疫疾患を防ぎ、免疫の暴走を抑制するIL-10は、その働きをN708株が増加させると言うことになります。
文章では表現がとても難しいですが、免疫活性と免疫抑制は自己免疫疾患にならないよう、バランスを取ることが必要であることを示唆していますね。それをN708株が担っていると言うこともわかりました。
このIL-10とIL-12 は以前のコラムでも取り上げております。どこのコラムだったか覚えておられる方もいらっしゃると思います。
このIL-10とIL-12 について以前のコラムとの共通点がございますので、明日突っ込んでみたいと思います。
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