プレバイオティクスとプロバイオティクスについて!

昨日まで連日にわたって、食物繊維について見て参りました。食物繊維はそのままでは、人の消化酵素で分解されずに消化吸収されることはありません。昔、食物繊維が無駄な栄養成分だと言われていたのはこのためです。
しかし、腸内細菌の存在が明らかになるにつれ、食物繊維が腸内細菌のエサになり代謝分解されることが分かってきました。そして、食物繊維の中でも多糖類のものや、多糖類以外のものがあり、水溶性食物繊維、不溶性食物繊維の区別がされ、それぞれが発酵性食物繊維と非発酵性食物繊維に分けられることが分かってきました。
これらについて、昨日までのコラムでご紹介して参りました。
これら食物繊維は、いわゆるプレバイオティクスと呼ばれるものです。
プレバイオティクスを改めて簡単に言うと、「ビフィズス菌や乳酸菌などの善玉菌(有用菌)のエサとなり、腸内環境を整える難消化性食品」ということになります。
ただし、有用菌が直接エサにする前に、糖化菌(麹菌、酵母菌、納豆菌など)がいったん糖化して、菌の代謝リレーが行われる場合があると補足する必要があります。
そして、プレバイオティクスを学術的に定義すると以下のようになります。
「経口摂取したときに生体に有益な作用が期待される、腸内細菌を選択的に増やしたり活性化したりすることのできる難消化性食品成分」となります。
これに対し、プロバイオティクスとは、同じく学術的に定義されているのは、
「適正な量を摂取したときに、腸内細菌叢を改善することによって宿主に有益な作用をもたらす生きた微生物」とされています。
このプロバイオティクスの代表菌種としては、乳酸菌やビフィズス菌であり、これら菌種を含む食品(プロバイオティクス食品)はヨーグルトや乳酸菌飲料をはじめ多岐にわたっており、日本の味噌や糠漬けをはじめ世界各地に存在しています。
明日からは、プロバイオティクスについて、深堀していこうと思います。
画像は簡単なイラストですが、Y字のものがビフィズス菌、丸いものが乳酸球菌、棒状のものが乳酸桿菌です。ちなみに、ビフィズス菌は嫌気性菌ですので酸素がない大腸にしかいません。乳酸桿菌は大腸に、乳酸球菌は小腸にいます。
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