免疫チェックポイント阻害剤の副作用と、漢方薬「大建中湯」と乳酸菌の関係性について

今日も昨日の続きのコラムになります。免疫チェックポイント阻害剤の効果があるにも関わらず、これと言った副作用が出ない3つの理由のうちの3つ目、③の漢方薬「大建中湯」と乳酸菌についてです。

タイトルが非常にわかりにくのですが!?免疫チェックポイント阻害剤の副作用と漢方薬と乳酸菌って何?と思われる方が多いと思います。

まずは漢方薬「大建中湯」のことに触れ、飲むことになった経緯をご紹介します。

昨年の夏に母が大腸がんの手術を終え、いざ退院となったのですが、術後の便秘が1週間ほど続いておりました。術後食事を口にしたのが数日後ですので、食事してからの1週間ではないのですが、ガスは出ておりましたが、便は出ない状態でした。

退院の日に下剤を処方くださったのですが、本人は下剤を飲むのを嫌がっていました。と言うのは、S状結腸を10センチほど切除しましたので、下剤を服用していると間髪なく出てしまうからです。

退院してからもその不安要素は続くと見て、私の方から主治医の先生に「大建中湯」を処方いただくようにお願いしました。

大建中湯は4つの生薬からなる漢方薬で、山椒、乾姜、人参(高麗人参)、そして膠飴が含有されています。

入院中から冷えの症状が出ていたため、山椒(画像)と乾姜は温める効果がありますのと、人参も膠飴も補気類の生薬で気を補うため術後の回復をアシストする意味もありました。

幸い、退院後は下剤に頼ることなく、これまで一度も便秘に悩まされることはなくなりました。

山椒も乾姜(生姜)も食品に使われますし、高麗人参も滋養強壮で飲まれる生薬ですので、身体には優しく今でも続けて飲用しています。

そして、この大建中湯が乳酸菌と相性抜群なのです。

2024年8月20日のコラムで触れていますが、理化学研究所の佐藤尚子先生のマウスを使った研究から、大建中湯が腸内細菌(ラクトバチルス菌)を介して、腸炎を抑制するメカニズムが明らかになっています。

研究では腸炎抑制と限定されてはいますが、腸内の免疫機能が向上していることに間違いはなく、今回、副作用が現れにくくなっている要因ではないかとも思っています。

大建中湯とラクトバチルス菌(乳酸菌)と言う関係性でしたが、漢方薬の生薬が腸内細菌が影響して、他の生薬においても効く効かないを左右していることは十分に考えられるのではと思います。

副作用が出ていない要因の3つを探ってみましたが、どれが正解という確証はもちろんありません。ただ、免疫チェックポイント阻害剤が効く人は、副作用が出ることが極めて多く、投薬か副作用かをせめぎ合うことが多いなか、何らかの要因で副作用が出ていないことは事実としてあります。

今後も体調の変化を見逃さず見て行こうと思います。

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