出産の際にお母さんが‟垂直伝播”で胎児に託すビフィズス菌!

プロバイオティクスを深堀するシリーズの4日目ですが、今日からはビフィズス菌を取り上げます。

具体的なビフィズス菌の紹介に入る前に、そもそものビフィズス菌はパリのパスツール研究所付属病院の小児科医であったティシエ博士により小児便から分離されたのが始まりで、小児の食事治療にビフィズス菌の培養液を処方していたことから、臨床でプロバイオティクスを使用したパイオニアと言われているようです。

以前のコラムでも、ビフィズス菌については、出産直後の乳児にはビフィズス菌の割合が非常に多く、その後徐々にビフィズス菌の数が減っていき、幼児期になると他の菌種の割合が増え、大人になると5~10%前後になるとお伝えしてきました。

どうやら、出産時にビフィズス菌を母親から受け取っているのではと予測できますが、帝王切開の場合を除き、胎児が産道を通って生まれる通常分娩で腸内細菌を受け取ることを、「垂直伝播」と呼びます。

これに対し、外部環境から微生物を取り込むことを「水平伝播」と言います。

画像は、コウノトリが赤ちゃんを運ぶ様子ですが、この状態では腸内細菌は伝播されません?!(笑)

通常分娩もそうですが、母乳か人工乳かによっても、その後のお子さんの腸内細菌叢に多大な影響を及ぼすことは、これまでのコラムでもお伝えしてきました。

実際に研究結果として、出産直後の母子の便に含まれるビフィズス菌の菌種を検査すると遺伝子配列は同一であること、また、異なる母子間では菌種、菌株が異なることがわかりました。

乳幼児の場合、胎児の状態からいざ外界に出た瞬間から、様々な有害な菌やウィルスから攻撃を受けだすわけで、腸内細菌叢がまだ十分に整っていない状態においては、母親からの垂直伝播によるビフィズス菌の効果は計り知れないということになります。

このビフィズス菌の種類は30~50菌種ほどあると言われ、人の腸内に棲むもので7~8菌種と言われています。

明日から、それぞれ菌種ごとに代表的なものをご紹介していこうと思います。

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