抗炎症作用のある石榴(ザクロ)を中医学(東洋医学)の観点から見てみた!

昨日のコラムは抗炎症作用を持ち、慢性炎症を予防するザクロ(石榴)についてでしたが、今日は、中医学(東洋医学)の観点から石榴を見て行こうと思います。
石榴は中医学では、収斂固渋の働きを持ち、様々な滑脱不禁の病証を治す食薬である収渋類に属します。
いきなり難しい用語が出て参りましたが、噛み砕いて言い直しますと、石榴(収渋類の食薬)は、体にとって大切な元気や血液、体力や水分などが外に漏れ出てしまうのを防ぐ「収斂固渋(しゅうれんこじゅう)」という作用を持つ食薬で、体内で過剰に排出される症状、すなわち「滑脱不禁(かつだつふきん)」の状態を改善するために有効に働くとなります。
ここで体にとって大切なものとして、‟元気”と言う言葉が出て参りますが、これは西洋医学ではない概念で、中医学(東洋医学)特有のものです。‟体力”も同じく捉え方が違いますね。
よって、体内の「引き締める力」である収斂固渋の作用を強化することで、さまざまな慢性的な症状を改善するのが中医学の収渋類となります。
ここで、慢性的な症状と表現しましたが、まさに西洋医学で言う慢性炎症を表しているのではと思います。
石榴は五気六味で言うと、温性で、甘味、酸味、渋味、帰経は肺、肝、胃、大腸、腎に入る(これらの臓腑に作用する)とされています。
効能としては生律止瀉、収斂止瀉で、過剰な液や血を引き締め止めることが出来ます。また腸の寄生虫にも効能ありとされています。
今日の画像はたくさんの石榴ですが、この石榴の皮は生薬として使われます。ちなみに、そのまま皮を食べるとペレチエリンと言う毒性成分が含まれていますので、注意が必要です。大量に摂取すると吐き気、下痢、めまいの症状が現れます。
生薬としては毒性成分は除去されていますので、漢方薬として石榴の皮が使用されている分には問題はありません。
石榴の皮は、慢性の下痢や、腸の寄生虫による腹痛、不正出血などに処方されます。石榴よりも毒性がある分、収斂固渋の効果も出ると言うことになりますね。
明日は、抗炎症作用の効果を期待しながら、手軽に飲用できるザクロジュースについて触れて行きたいと思います。
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