植物を大切にしないと人間は生きていけない!?
エネルギー生成について何回か書いてきましたが、その重要な役割を担っているのがミトコンドリアでした。
このミトコンドリア、糖質だけを栄養源にしているのではなく、たんぱく質や脂質も栄養源にし、多大なエネルギーを生み出せるということでした。
例えば、人間は糖質やたんぱく質、脂質の3大栄養素を、まんべんなく摂取する動物ですが、牛や馬は草しか食べません。コアラは以前のコラムで触れましたがユーカリの葉しか食べません(これはユーカリの葉を消化する酵素を持っているため)。パンダも笹の葉しか食べないですよね。反対に、トラやライオンは肉食です。
このようにそれぞれの動物が、その生活環境によって、特定のものを食べて生きながらえてきたのです。それはミトコンドリアが、これらの栄養素をすべてエネルギーに変えられるという特性によるものです。
ここで注目しておきたいのは、植物と動物の違いです。
植物は、光合成によりエネルギーを生み出すことは、中学校の理科の授業で習いました。太陽の光と二酸化炭素と水があれば酸素を生み出します。その生み出したエネルギーで糖を養分として貯え植物は生きていきます。
しかし、動物は、どうでしょうか?
自ら酸素を生み出すことは出来ません。植物が生成した酸素を吸引しエネルギーを生み出すからです。
葉緑体を持っている植物は、自らの力でエネルギーを生み出し、それを消費して生きている「独立栄養生物」と呼ばれる生物です。反対に、酸素をみずから生み出せない動物は「従属栄養生物」と呼ばれます。
こう考えると、動物が植物を支配しているように見える社会ですが、実際には植物がいないと動物は生きることすらできないんですね。
植林が伐採され続けている地球において、二酸化炭素を酸素に変えてくれる植物がいないと、人間が生命をも脅かされる。大きな社会問題の根幹はこんなところにあるんですね。
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