水溶性食物繊維のイヌリンを改めて化学的構造から見てみた!

ここまで様々な多糖類の食物繊維について見て来ましたが、今日は最後となりますが、「イヌリン」を取り上げます。
イヌリンに関しては、水溶性食物繊維に一種で、含まれる食材や腸内細菌への影響について、これまでのコラムで何回か触れてきました。
特に2024年12月8日のコラムで摂取時間によって腸内細菌の増え方に変化があることや、12月9日のコラムでサプリメントを摂取するより、菊芋やごぼうなどの食材を摂取する方が腸内細菌を増やすためには効果的という研究結果にも触れています。良ければ、そちらのコラムも見て頂くと良いかと思います。
以前には触れていませんでしたが、なぜイヌリンは小腸で消化吸収されないのか、大腸まで運ばれて腸内細菌により代謝されるのかについて、化学的に見て行こうと思います。
食物繊維全般についてですが、分解する消化酵素を持ち合わせていないことは、これまでにも出て参りました。
イヌリンに関しては、スクロース(ショ糖)の果糖残基に果糖がβ-2,1結合で直鎖状に重合したもので、このβ-2,1結合を切断する消化酵素を持ち合わせていないと言うことになります。
よって、そのまま大腸に運ばれ腸内細菌によって代謝されると言うことですね!
イヌリンが含まれる食材としては、菊芋がダントツに多く100g中18gほど含有していますが、画像のにんにくにも多く含まれていて、100g中12ℊほど含まれています。
にんにくに関しては、高血圧低下や血中脂肪低下の効果が期待されると言われていますが、イヌリンを豊富に含むことから、腸内細菌を育むためにも、務めて摂取したい食材かとも思います。
ちなみに中医学から薬膳としてにんにく(大蒜)を見てみますと、温性(体を温める)で、解毒消腫(毒を排出し腫れを抑える)や排膿止痒(膿を出して痒みを止める)効果があるとされています。そして、これらを応用して駆虫薬として使われることもあるようです。
腸内細菌に働きかけるイヌリンとの関係性は、よくわからないところですが、短鎖脂肪酸の防御機能、免疫力アップという視点からは、合致しているとも言えますね。
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