漢方薬と腸内細菌!

昨日までのコラムで、食物繊維をエサにする腸内細菌が腸内に棲息しているかどうか、その割合によって、食物繊維が有効に働くかどうかの話しをしました。

今日は、漢方薬においても効き目に個人差があり、それは腸内細菌に左右されているというお話しです。

そういえば、そうですよね・・・ある漢方薬は、私には効くけど、知り合いに勧めても効かなかったという話しは良く聞きます。

例えば、甘草(画像参照)という漢方薬ではお馴染みの生薬があります。

おそらく漢方薬として処方されているもののうち、6割くらいは甘草が入っているのではないでしょうか?

芍薬甘草湯のように、甘草の主たる働きを期待している君薬としての処方もありますが、どちらかというと、主たる生薬に補佐的に作用する佐薬として使われることが多いように思います。よって、処方量も少なめです。

甘草は1日の摂取量が2.5gを超えると偽アルドステン症の発症リスクがあるとされています。

偽アルドステロン症については、以下を参照願います↓

偽性アルドステロン症 – 基礎知識(症状・原因・治療など) | MEDLEY(メドレー)

よって、いくつかの漢方薬を飲用する場合は、甘草の摂取量に注意する必要があります。

話しを腸内細菌に戻しますと、この甘草ですが、主成分はグリチルリチンで腸内細菌に食べられグリチルリチン酸へ代謝され腸内へ捨てられます。

グリチルリチン酸になってはじめて人は腸から吸収し血流にのせて病変部に運び、治療効果が得られます。

要するに、このグリチルリチンを餌にする腸内細菌を多く持っている人が、甘草と言う生薬がよく効くということになります。

漢方薬と腸内細菌の関係については、数々の論文が出され、研究段階であるといえます。

しかし、個人差によって、腸内細菌の構成によって、その効き目が人により違う!これだけは確かなようですね。

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