癌細胞は生き残るために自らを異物と認識させないように知恵を絞っています!

昨日のコラムで癌治療の標準治療の1つにあげられる、免疫チェックポイント阻害剤について触れましたが、今日からはこの免疫チェックポイント阻害剤について改めて見て行こうと思います。
2024年9月2日、3日のコラムで免疫チェックポイント阻害剤と腸内細菌について触れていまして、腸内細菌叢の状態のいい人の方が、奏効率(効く確率)が高くなるというデータが出ていると言う話しでした。
この関連性を考察する前に、まず、免疫について簡単に振り返りたいと思います。
免疫そのものについては、先日のコラムでも触れましたが、免疫とは自分の体である自己と、自分ではない非自己を識別し、非自己を排除する仕組みのことになります。
この非自己にあたるものが、外部から侵入してくるウィルスや細菌などの病原体や、体内で発生した癌細胞のような異常細胞のような異物です。
この異物を攻撃する免疫細胞は、その仕組みの違いから自然免疫と獲得免疫に分けられ、人体は何十もの防御壁を設けています。
これに対し、癌細胞は生き残るために必死になって知恵を絞っています。正常な人でも毎日のように癌細胞は作られており、日々免疫細胞が撃退していますが、ひとたび癌細胞が優位になると、徐々に増殖を繰り返し正常細胞を侵していきます。
この増殖を繰り返す仕組みを遮断するのが免疫チェックポイント阻害剤になるのですが、元来の抗がん剤が癌細胞を直接攻撃するのとは違い癌細胞を攻撃することなく、まったく別のアプローチで癌細胞の活性化を止め撃退する仕組みなのです。
明日からこの免疫チェックポイント阻害剤について、詳しく色々な角度から見て行こうと思います。
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