紅藻類に含まれるカラギーナンの用途と健康被害について!

今日も食物繊維を取り上げますが、今日は海藻類の紅藻(画像)に含まれる「カラギーナン」についてです。
カラギーナンは、D-ガラクトースがα-1,3結合またはβ-1,4結合を交互に繰り返した食鎖状の多糖類になります。特徴は、たんぱく質やカルシウムと反応してゲル化する性質があり、化学構造式の中に硫酸基を持ち、硫酸基の少ないものほどゲル化しやすいと言われています。
カラギーナンは硫酸基の数により3種類存在しますが、その構造は、ガラクトース基2つに硫酸基が1つのものを「カッパカラギーナン」、ガラクトース基2つに硫酸基が2つのもを「イオタカラギーナン」、そしてガラクトース基2つに硫酸基が3つのものを「ラムダカラギーナン」と呼んでいます。
寒天も紅藻類から作られますが、カラギーナンと寒天の違いは硫酸基の含有量の違いで、カラギーナンの方がたくさん含有されています。
食品添加物として、使われることの多いカラギーナンですが、以下のような用途で使用されています。
*ゲル化剤として、カッパカラギーナンとイオタカラギーナンを使用
水ゼリー、乳製品デザート、アイスクリーム、クリームデザート、菓子ゼリー、畜肉製品
*安定剤としてカッパカラギーナンを使用
乳飲料、缶コーヒー
*増粘剤としてラムダカラギーナンを使用
デザートクリーム、デザートソース、粉末ミックス
ちなみにこのカラギーナンですが、天然由来とは言いながら、発がん性や潰瘍性大腸炎を発症すると言う研究結果もあり、サプリメントなどを通して、多量摂取には注意が必要だとも言われています。
ただ、食品添加物程度の摂取では何の問題もないとの見解も出ていますし、海藻に含まれているガラギーナンが健康被害を及ぼすとは考えにくく、日ごろの食卓で紅藻類の海藻を食べることに支障はないものと思われます。
明日は、海藻類に含まれる別の食物繊維について見ていきます。
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