腸内で進んでいる発酵と腐敗・・・
昨日のコラムでは、発酵と腐敗の違いについてお話ししました。
今日は、この発酵と腐敗が腸内でも起こっていることをお話ししたいと思います。
腸内の乳酸菌やビフィズス菌が好む栄養素は糖の仲間たちです。例えば、オリゴ糖はビフィズス菌のエサの一つですが、腸内にはたんぱく質をエサにする菌も存在します。
発酵は食べ物の糖類が分解されて起こります。人の腸内ではビフィズス菌がこれを行います。ビフィズス菌が増えると腸内のphが酸性に傾き、悪玉菌の増殖を抑えます。
逆に、腐敗は食べ物のたんぱく質が分解されて起こります。
このとき、アミン、インドール、スカトール、フェノールなどの有害物質が発生します。これらの有害物質によって、食べかすは腐敗し、それが腸内環境を悪化させる要因になるのです。
便秘や下痢の症状だけでなく、有害物質が血液を通じて全身に運ばれ、肌荒れなどが起こります。そして便が臭くなる症状が現れます。腸内腐敗の影響が便の臭いと言う形で現れるのです。
大腸菌はウェルシュ菌などが悪玉菌と呼ばれるものです(大腸菌は必ずしも悪さだけをする菌ではありません)。
善玉菌と悪玉菌という表現でまとめると、善玉菌は糖をエサにして増殖し、悪玉菌はたんぱく質をエサにして増殖するということになります。(ただ、酪酸菌なども善玉菌に含まれますし、日和見菌のなかでもいい菌もいれば、悪さをする菌もいます、また、腸内環境によって、どちらに味方するかをその時々に変わる菌もいて、詳しく見て行くともっと複雑な関係性が腸内細菌にはあるようです。)
そして気をつけなければいけないことは、人の身体にとって必要な栄養素と腸内細菌にとって必要な栄養素が、時と場合により異なると言うことです。
糖をたくさん摂取すれば、乳酸菌やビフィズス菌は喜びますが、血糖値を上げてしまいます。また、たんぱく質は筋肉やホルモンを生成し活力をもたらしますが、悪玉菌を増殖させることになります。
以前のコラムでも書きましたが、毎日の食事を考える場合、自分の身体と腸内細菌のことを考慮して、バランスよく摂取しなければならないということになります。
*画像はビフィズス菌のイラストです。手足は本物にはついていません!?(笑)。Y字型をしていますが、ビフィズス菌の由来は、ラテン語で分岐を表すbifidから来ています。
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