腸内細菌叢と免疫チェックポイント阻害剤について・・・

ここ数日、肝細胞癌に対する免疫チェックポイント阻害剤のテセントリクと血管新生阻害剤のアバスチンについて、私の母の症例をもとにお話しさせていただいています。
数日前にもお話ししましたが、私の母は昨年8月に大腸がんの腹腔鏡手術を行い、ステージ2、4.4センチの腫瘍を切除致しました。
この時、懸念していたのが、腸内細菌叢は見るも無残な状態になっているであろうことでした。
元々大腸がんを患ったのですから、腸内細菌の構成比は有用菌と有害菌のバランスは悪く、有用菌よりも有害菌の方が優勢であったと推測はできます。そして、有用菌の絶対量も多くはなかったように思います。
そして大腸がんの手術をしたわけですから、大腸は酸素に触れることで多くの腸内細菌は死滅したに違いありません。
大腸がんとわかるまでに、母に対し腸内細菌検査を実施しなかったことが、私の心残りだと以前のコラムで打ち明けていました。
よって、手術後は努めて腸活を行っておりました。
今回の治療法である免疫チェックポイント阻害剤については、腸内細菌叢が理想的なものであれば、がん細胞に対する奏効率は高くなることが確かめられています。
腸内細菌叢が良くない人は、理想的な構成比を持つ人の便を移植することも、欧米では日常茶飯事に行われていることは、以前のコラムでご紹介しました。
日本ではまだ日常的に行われていませんが、試験的にはすでに行われています。
腸内細菌叢の状態と免疫チェックポイント阻害剤の効果が上がることとが、仮に関係があるとすれば、腸内細菌叢をいい状態にすることが大事ですし、これは腸内細菌が免疫機能にいかに大きな影響を与えているかの証にもなりますね。
そのようなわけで、母には免疫チェックポイント阻害剤の投与とは別に、徹底的な腸活を強いているところでございます。
前置きはこれぐらいにして、明日は、腸内細菌と免疫チェックポイント阻害剤の関係性を少し整理してみたいと思います。
今日の画像は、腸内の理想的な腸内細菌叢と悪い状態の腸内細菌叢を簡単なイラストにしたものです。左側の理想的な腸内細菌叢のもとでは免疫チェックポイント阻害剤は効きがいいと言うことです、はい!
コメント