自然免疫を働かせるTLRが乳酸菌にも反応するってどういうこと?

今日からは、「食から腸内細菌叢を考える!」をテーマに色々な角度から考えて行きたいと思います。

食から腸内細菌叢を考える!というテーマにしては、いきなりの画像が人が持つ免疫システムについてのイラストです。この同じイラストを使って、2024年2月13日に「そもそもの人の免疫のしくみについて」というタイトルで免疫システムについては簡単に説明していますので、そちらをご覧いただければと思います。

そして今日の本題は、その翌日(2024年2月14日)に書いたコラムの「自然免疫が持つ病原菌を封じ込めるためのセンサーとは?」に関連しているようです。

キーワードとしては‟センサー”なのですが、人は自然免疫を働かせるのに、細胞一つひとつに備わったセンサーがいち早く病原菌をキャッチしその侵入を防いでいるのです。

このセンサーは「トータルライクレセプター(TLR)」と呼ばれ、ヒトの細胞には10種類のTLRが存在していると言われています。

2024年2月14日のコラムにも書いておりますが、光岡知足先生の著書「腸を鍛える」から引用し列挙すると、    TLR2は、菌の細胞壁の構成成分の一つであるペプチドグリカンに反応します。                  TLR3は、菌やウィルスの二本鎖RNAに反応します。                            TLR4は、病原菌の菌体成分であるリポ多糖などに反応します。                         TLR5は、菌の鞭毛に反応します。                                      TLR9は、菌やウィルスの核酸に反応します。

このように人の免疫細胞のTLRが菌の構成成分に反応し、免疫機能を働かせています。

では、このTLRが「食から腸内細菌叢を考える!」というテーマにどう結びついているのかということですが、外部から摂り入れた乳酸菌も実は、このTLRに反応していることがわかっています。

具体的には、乳酸菌は上記に記載したペプチドグリカンや核酸を持っているため、その構成成分がTLR2やTLR9などのセンサーが反応しているのです。

そして、乳酸菌の持つ構成成分がTLRに反応するため、必ずしも生きた菌でなくても良く、強力な胃酸で酸に負け死んだ菌でもTLRは反応すると言われています。

生きたまま腸まで届く乳酸菌やビフィズス菌というキャッチフレーズをご覧になった方も多いかと思います。

このあたりを含め、明日もう少し突っ込んでいきたいと思います。

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