菌の代謝リレーを意識した腸活!

今日のコラムも一昨日からの続きになります。
免疫チェックポイント阻害剤の効果があるにも関わらず、これと言った副作用が出ない3つの理由のうちの2つ目、②の菌の代謝リレーを意識した腸活について触れて行きます。
今や腸活は様々なところ頻繁に出てくるキーワードですね!様々なところで出てくるキーワードだからこそ、腸活の核心に触れる必要があるかと思います。その核心に触れるには、腸活の一部を実行しても満足した結果が生まれないと言うことになりかねないからです。
例えば、食物繊維を盛んに摂取することが腸活だと認識しているとしたら、それだけでは間違いになります。食物繊維をこなせる腸内細菌がいなければ、食物繊維は人にとってただのゴミでしかありませんからね。
人は食物繊維を消化吸収させる酵素をそもそも持っていないですし、腸内細菌がいないと菌の代謝リレーが成立しないからです。
菌の代謝リレーについては、このコラムでも再三再四お伝えしてきましたが、要するに腸内細菌が最終的に生み出す短鎖脂肪酸を作り出すには、食物繊維からの代謝リレーが必要になります。
その経路としては以下のように、
食物繊維⇒糖化菌(麴菌・納豆菌・酵母菌など)⇒乳酸菌・ビフィズス菌⇒酪酸菌⇒短鎖脂肪酸という流れです。
この代謝リレーをより多く完成させるには、適切な食物繊維を摂取し、糖化菌も同時に摂り、腸内の乳酸菌、ビフィズス菌に加え、外部から乳酸菌、ビフィズス菌を摂取し、糖化された乳糖など糖分を乳酸や酢酸に変え、酪酸菌の力で酪酸やプロピオン酸の短鎖脂肪酸にすると言うことになります。
これらの代謝リレーを意識してこその腸活になります。もちろんもっと広い範囲で言うと運動などの要素も入ると思いますが、食に関してはこのリレーを意識します。
これも以前に触れてきてはいますが、人の体内で起こる代謝の2/3は腸内細菌が関わっていると言うデータが明らかになって来ています。これは京都大学の化学研究所が表す「人体の代謝マップ」(画像)から伺うことができます。
いかに腸内細菌が大事かと言うことを改めて示しているのです。
最後になりましたが、この菌の代謝リレーを意識した腸活を、私の母には大腸がん手術以降行ってきています。大腸がん手術において、手術や抗生物質投与により、腸内細菌が一時一掃されたのも逆に効果的だったのかも知れないのですが、便の状態や回数などここ最近はより良くなってきた印象です。
副作用が出ない要因として、この菌の代謝リレーを意識した腸活も上げておきたいと思います。
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