道地産物(道地薬材)という考え方!?
昨日まで、免疫の4つの項目について、出来る限り嚙み砕いてお伝えしてきました。ちょっと、難しい人体のシステムでしたので、今日からは、薬膳処方をする上で食材を選ぶ時のヒントになる話題をピックアップしたいと思います。
まずは、薬膳では、道地産物(道地薬材)という考え方があります。
薬膳で使う、多くの食材は植物になります。植物ですから、産地は非常に重要で、その地域の土壌、水質、気候、雨量などの自然条件により、植物の生長や開花、結実など生態は変化します。
その条件で、質や量も違いが出て、美味しさなども当然影響を受けます。
この道地産物という考え方は、昔から重視されてきました。
画像の高麗人参は、吉林省のものが品質がいいとされています。みかん(柑橘類)の皮を乾燥させた陳皮は広東省、滋陰効果があり止血作用のある阿膠(ロバの皮)は、山東省のものがいいとされています。便秘の時のコラムでご紹介した、大黄は青海省のものと言われています。
ただこの道地産物は、必ずしも永久にそうであるかと言えば、そうでもなく、気候の変化で移り変わっていくものであると思います。
例えば、お米は、昔は新潟あたりの気候が適しており、魚沼産こしひかりなどは、最高級のお米として認知されていました。しかし、世界的な温暖化もあり、日本の気候も暖かい地域が北上しているのか、北海道のお米が最近では高評価を得ていることが多いです。
それだけ、近年の気候変動が激しいとも言えますが、美味しい食材が摂れる地域が増えていくことは、嬉しい限りです。もちろん、気候変動で採取が難しくなった地域もあるでしょうけど。
薬膳を考える上で、道地産物の考え方は、やはり気を付けておきたいですね!
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