食道の生検にける病理組織診断報告書を読み解く

昨日は食道の生検において異常なしの診断が下りた旨のコラムでしたが、正式な病理組織診断報告書を見てみたいと思います。
内視鏡検査での臨床診断は、「EGJのやや不整な発赤部から生検。炎症性疑いですが、悪性所見ありませんか?」でした。
これに対し診断は、Esophagus,biopsy(食道生検)。Esophagitis(食道炎)。でした。
所見は、「被覆する重層扁平上皮は肥厚し、基底側でN/C比の高い細胞がやや増大する。層形成は保たれる。p53, Ki-67の免疫染色を施行したが、明らかな腫瘍性と判断できる所見は認めない。反応性変化と推測する。上皮下には軽度のリンパ球浸潤を認める。」でした。
何やら難しい医学用語が並び、具体的にどうかは読み取りにくいのですが、どうやら基底側のN/C比とは、N/C比(核/細胞質比)であり、細胞内の核と細胞質の面積割合を示したもので、N/C比が高いほど細胞の悪性度が高いとされています。
と言うことは、私への所見で見ると、扁平上皮の基底側で悪性度が高い細胞が含まれていると言うことになります。まぁ気にする必要のない程度ってことだとは思いますが。
そして、免疫染色では、明らかな腫瘍性は認められないものの、上皮下には軽度のリンパ球侵潤が見られるとあります。
このリンパ球侵潤が少し気になりますね。
このリンパ球侵潤については、長くなりそうなので、明日詳しく読み解きたいと思います。
画像は病理組織検査をする女性です。実際にはこのように顕微鏡でされているかどうかは、不明です(笑)
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