<腸内細菌>離乳食の時期に口腔や消化器官も成長進化しますが、腸内マイクロバイオームも大きく変化しています!
腸内細菌叢(腸内マイクロバイオーム)が年齢によって、どう変化していくかの2つ目、今日は②の離乳食期のお子さんについてです。
生まれてから、お母さんのおっぱいやミルクにより育てられてきた時期を経て、大人と同じものを食べさせるまでの準備期間とも言えるこの時期ですが、だいたい5~6か月後くらいから離乳食の時期に入るかと思います。
食べるものとしては、小さじで炭水化物の米がゆからスタートするわけですが、ごっくんと飲み込めるようになれば、ビタミン・ミネラル類のものを加え、たんぱく質のものも加えていくイメージですね。滑らかに入るものから、やわらかい粒状のものへと、形状や硬さも変わってきます。
これに伴い、口腔や消化器管の働きも徐々に進化していくわけですが、同じように腸内マイクロバイオームにおいても大きな変化が出て参ります。
腸内ではRuminococcus(ルミノコッカス)やFaecalibacterium(フィーカリバクテリウム)などの増加が見られ、菌の多様性が増加することになります。
Ruminococcusのようなセルロース(食物繊維)を消化するものであるとか、Faecalibacteriumのように、酪酸やプロピオン酸などの短鎖脂肪酸を産生するものが根付いて参ります。
これまでに何度もコラムでご紹介していますが、麹菌や納豆菌、酵母などの糖化菌から乳糖などを産生し、ビフィズス菌や乳酸菌が乳酸や酢酸に変え、これらをフィーカリバクテリウムなどの酪酸菌が発酵分解して短鎖脂肪酸を生み出す。これにより免疫機能を高めていく。
この体制が少しずつ離乳食を摂取しながら腸内で形成されていくのです。
そして生後3年ほどをかけて、BacteroidesやFaecalibacteriumを主体とした成人型の腸内マイクロバイオームに徐々に変化していきます。
離乳食から3年くらいですでに成人型に近いものとなると言うことは、いかに早く免疫機能を高めるかが本能的に備わっているのではとも言えます。
明日は③の幼年期から学童期について見て行こうと思います。
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