肝細胞癌の腫瘍マーカーが劇的に改善した要因を探る<Part1>

先日から肝細胞癌に対し、免疫チェックポイント阻害剤(テセントリク)と血管新生阻害剤(アバスチン)の2回のダブル処方で、腫瘍マーカーが劇的に低下したことをお伝えしてきました。
今日は、このダブル処方以外に腫瘍マーカーを下げる要因になったものを取り上げていきます。
以前にこのことは取り上げては来ましたが、今回、さらに腫瘍マーカーが改善したことを受け、再検証したいと思います。
まず、高齢の母が昨年の夏に大腸がんを腹腔鏡手術で切除したことは、これまでのコラムで再三にわたりお伝えしてきました。大腸がんステージ2、腫瘍は4.4センチでした。
幸い予後もよく、術後は1週間程度、便秘に悩まされましたが、下剤ではなく大建中湯を処方していただき、それ以来一度も便秘の症状はございません。
この大建中湯については、入院中から冷えの症状を訴えていたため、主治医の先生にお願いして、乾姜、山椒の身体を温める生薬が含まれている大建中湯を処方してもらいました。
大建中湯には人参(高麗人参)も含まれているため、術後の回復に滋養のある補気の人参も有効であると考えました。
この大建中湯については、理化学研究所の佐藤尚子先生が論文で、大建中湯によって腸内細菌が生み出す代謝産物が増え、それにより免疫機能が高まり腸炎が改善されるというメカニズムが解明されたと発表されています。
この腸内細菌がラクトバチルスなのですが、詳しくは2024年8月20日のコラムをご覧ください。
よって、母にも食品やヨーグルトから乳酸菌を積極的に摂取するようにしておりました。
ただ、免疫機能が高まるとは言え、いったん火のついた癌細胞を抑え込むことは難しいのでしょう。同時発生した乳腺がんは、転移性のものではなくダブルキャンサーですが、後に肝細胞癌を発症することとなりました。
この続きは明日のコラムでお伝えします!
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