私たちはかたくなに食物繊維を摂取すれば、それでいいのでしょうか?

今日からは、食物繊維の種類とその食物繊維を含む食材を化学的なところも含めて見て行こうと思います。
食物繊維と言えば、私の中では、腸内細菌のためのエサと言うイメージがこびりついております。腸内細菌の存在をさほど気にしていなかったころは、1日一定量の食物繊維を摂取するには野菜を食べないといけない。1日350gは食べないとと思っていました。
ただ、このイメージはちょっと違って、野菜(葉物野菜)には意外に食物繊維は含まれていないんですね。もちろん野菜は摂取すべき食材ですが、どちらかと言うとビタミンやファイトケミカルの視点で見るべきかなと思います。
話しを食物繊維に戻しますが、食物繊維は糖が重合した多糖類と多糖類以外のものに大別されます。多糖類に属する食物繊維は、種類が豊富で、それぞれ特徴があり含まれる食材も違います。
まずは、食物繊維の代表選手と言えば、セルロースとヘミセルロースですね。
セルロースとヘミセルロースは数日前のコラムでも、化学式を用いてお伝えしていましたが、食物の細胞壁の主成分でβ-グルコースがグリコシド結合によって直鎖状に重合したものでシート状の構造をしていました。よって人の消化酵素では分解出来ないと言うことでした。
そして細胞壁に含まれる不溶性食物繊維のうち、セルロース以外の不溶性の多糖類がヘミセルロースになります。
セルロースの食材は多岐に渡っており、画像の根菜類や、いも類、きのこ、豆類、海藻などに含まれています。葉物野菜は少ないのです。
ヘミセルロースはこんにゃくに含まれるグルコマンナンや、全粒穀物や小麦ふすま、ライ麦、とうもろこしに含まれるアラビノキシランなどが上げられます。
穀物ふすま(小麦ふすまなど)については、腸内細菌との関連性で2025年4月3日のコラムで詳しく書いておりますので、そちらをご覧ください。
グルコマンナンやアラビノキシランを化学的に見ると、グルコマンナンはグルコースとマンノースがおよそ2:3の割合でβ-1,4結合-グリコシド結合したものです。またアラビノキシランは、β-1,4結合したキシロース主鎖にα-1,2またはα-1,3結合でアラビノースが側鎖として結合したものになります。
これらの結合を腸内細菌が分断し、多糖類が二糖類、そして単糖類へと変化していきまます。要するにこれらの過程を経て菌の代謝リレーが行われると言うことですね!
私たちが出来ることは、どの食材にどのような食物繊維が含まれているかを把握し、自分自身の腸内細菌叢をある程度知っておいて、代謝リレーが行われる腸内環境を形成することでしょうけど、中々そこまで把握して食事していくのは難しいかもです。
ただ、この食物繊維が含まれる食材を食べると、便秘になるとか、消化されずにそのまま排出されるなど、気をつけているとわかることもあります。わかる範囲でチェックしていく必要はありそうです。
このように、かたくなに食物繊維を摂取したらいいとは言い切れないことは、これらから理解できるのかなと思います。
明日は多糖類の別の食物繊維をピックアップしていこうと思います。
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