海藻から摂れる食物繊維のアルギン酸の効能を得るために必要な腸内細菌って、どんな菌が腸内にいればいいの?

昨日は海藻類の紅藻に含まれる食物繊維「カラギーナン」を取り上げましたが、今日は同じ海藻類の主に褐藻に含まれる「アルギン酸」を取り上げたいと思います。
アルギン酸については、2024年6月29日のコラムでメタボリックシンドロームを抑制すると言うことで、腸内細菌の働きとともにご紹介しております。
この時、その根拠となるものとして、慶応義塾大学とカイゲンファーマ(株)の、海藻に含まれる食物繊維アルギン酸ナトリウム(以下SA)が腸内細菌を介してメタボリックシンドロームを抑制する!としておりました。
アルギン酸は、s-D-マンヌロン酸とα-L-グルロン酸が結合した直線状のポリマーです。
*ポリマーとは、多くのモノマー(単量体・単位分子)が結合してできた化合物のことを指し、重合体とも呼ばれます。
アルギン酸はそもそも不溶性なのですが、アルカリ処理を行うとアルギン酸ナトリウムとなり水溶性となります。慶応義塾大学とカイゲンファーマ(株)の研究では、アルギン酸ナトリウムがと記載されていますので、水溶性食物繊維が腸内細菌を介してメタボリックシンドロームなど、様々な効能を産み出すと理解できます。
アルギン酸、正確にはアルギン酸ナトリウムの効能としては、①高血圧予防、②コレステロール値低下、③メタボリックシンドローム軽減、④動脈硬化予防、⑤腸内環境を整えるなどがあります。
ここで注目したいのが、やはり腸内細菌の存在です。日本人は欧米人に比べ、海藻類を腸内細菌が上手く代謝すると言われます。それは、バクテロイデス・プレビウスが、海藻に含まれる食物繊維を分解できる酵素であるポルフィラナーゼを作ることができるからだと言われています。そして、その保有割合が日本人には多いと言うことです。
言い換えると、ずっと昔から海藻類を食してきた日本人にバクテロイデス・プレビウスが根付いてきたとも言えます。
私たちの腸内細菌検査では、バクテロイデス菌の属分類までは判定しますが、バクテロイデス・プレビウスのように種別までは判定できません。ただ属レベルですがバクテロイデス菌の構成割合が高ければ、海藻類を代謝する能力が高い可能性はあります。
全体的にバクテロイデス菌の割合は、私たちの検査では20%~30%保有されている方が多いです。やはり海藻類をしっかり代謝出来ているのだと思います。
ちなみに、アルギン酸を多く含む海藻類で見ると、わかめ(画像)が100g中5gと一番含有量は多いです。
上記の健康効果を考えると、バクテロイデス菌がいると仮定して、わかめをたくさん摂取するのは効果的と言えそうですね。ちなみに、めかぶは1.63g、もずくは0.20gです。
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