プロバイオティクスのパイオニア!シロタ株(LcS)って?

プロバイオティクスを取り上げていますが、今日はそのパイオニアとも言える「L.caseiシロタ株(LcS)」を含む乳飲料についてです。
今日のコラムは、「トコトンやさしい プロバイオティクスの本」野本康二著から一部抜粋させていただきます。
本の中では、乳飲料ということで正式名称は避けておられますが、シロタ株と言えばヤクルトですので、画像も含めオープンにしていこうと思います。
話しを昨日の乳酸桿菌に戻しますが、乳酸桿菌(Lactobacillus)の名前が学術的に発表されたのは1901年で、その約30年後にシロタ株のヤクルトが販売されました。
まさにプロバイオティクスのパイオニアですね!
発売当初から含有されるLcS(シロタ株)の量は増え、今では、1000憶個の製品まで販売されています。ちなみに画像は左が1000憶個含まれるヤクルト1000ですが、右側はY1000として販売されていて1100憶個含まれています。
ヤクルト1000は宅配用(ヤクルトレディがお届けするものなど)で価格もY1000より若干お安く、Y1000はスーパーやコンビニなどで販売されています。
この含有量は「用量依存性」でいえば、薬や化学物質などの量が増えるほど、その効果や障害が起こる可能性が増すことを示していると言えます。
ヤクルト1000について、機能性表示食品としての機能は「一時的な精神ストレスがかかる状況でのストレスを和らげる機能や睡眠の質を高める機能」と謳われております。
著書では、研究結果としてLcSの免疫賦活作用の用量依存性を示す結果を得ていて、LcS(加熱死菌体)を加えてマクロファージを培養すると、マクロファージはLcSを取り込んで活性化されたようです。
この状態のマクロファージに、腫瘍細胞を加えてさらに培養すると、腫瘍細胞の増殖はマクロファージによる阻害作用を受けたということです。
そして、マクロファージの腫瘍増殖抑制活性においては用量依存性が示されたとあり、異なる種類のがん細胞に対しても同様に発揮されたと記載されています。
ヤクルト1000が、がん細胞の抑制効果があるとは、薬機法の関係でメーカーが謳うことは出来ません。ただ著者の研究結果としてご理解いただければと思います。
もちろん、直接培養した際の結果ですので、ヤクルトを飲むことでがん細胞の増殖を抑えるとは言えないと思います。ただ、プロバイオティクスとして何らかの影響があることは、個人差があるとは言え、理解しておくのもいいかなと思います。
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