<免疫チェックポイント阻害剤>T細胞の活性化にかかわるCTLA-4を抑える抗体が癌を攻撃する!

昨日のコラムでは、T細胞とがん細胞の結び‟手”となる、PD-1とPD-L1について見て参りました。

今日は、免疫チェックポイント阻害剤として、もう一つのポイントとなる、CTLA-4(細胞殺傷性Tリンパ球抗原4)について見て行こうと思います。

このCTLA-4については、2018年ノーベル医学生理学賞に輝いた京都大学の本庶佑先生とともに共同研究された、テキサス大学のジェームス・アリソン教授らの研究により1987年に発見されたものになります。

CTLA-4はがんを認識するT細胞の活性化にかかわる物質として、改めて研究がなされ、1995年にこの分子がT細胞によるがん細胞への攻撃にブレーキをかける働きを持つことを発見したものとなります。

この論理からいくと、CTLA-4の働きを抑えればT細胞にかかるブレーキが外れ、がんを攻撃できると考え、1996年に、がん細胞を移植したマウスにCTLA-4をブロックする抗体を投与して、がん細胞の消失や退縮をもたらす効果があることが実証されました。

そして2011年、この抗体を用いた世界初の免疫チェックポイント阻害剤「イピリムマブ(ヤーボイ)」が米国で承認されることとなりました。

明日は、PD-1、PD-L1、そしてCTLA-4を使った、免疫チェックポイント阻害剤について具体的に見ていきたいと思います。

画像は免疫と抗体のイメージ図です。

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