中医学から見て、茶葉は本当に慢性炎症を防ぐのか?

慢性炎症を予防し、抗炎症作用がある食材として昨日のコラムでは緑茶を上げましたが、今日は、中医学からみた緑茶を見て行こうと思います。

中医学で緑茶は、食薬としては茶葉(ちゃよう)と呼ばれ、非発酵の茶葉を指します。

例えば、プーアール紅茶は発酵させたものですし、烏龍茶は半発酵させたものとなり、区別して捉えられています。

緑茶すなわち茶葉は、体内の熱を取り除く作用を持ち、主に裏熱証を治療する食薬である清熱類に属します。よって、清熱類の食薬の多くが寒涼性となります。

茶葉も例にもれず、涼性で苦味、甘味の性味となります。帰経は心、肺、胃で、清熱解毒効果があるとされています。要するに無駄な熱を取る食薬ですから、炎症により身体の熱を取る作用があることで、慢性炎症を防ぐ食薬とも言えなくもない気もします。

抗炎症となると熱を冷ますということで、涼性の食薬と考えてしまいがちですが、昨日までの抗炎症作用のある食薬は温性のものでした。身体を温めることで体調を整え、体の機能や血液の循環を活発にすると言うことでした。

この温性の食薬と、涼性の食薬の判断は非常に難しいのですが、その人の体質や、その時の身体の状態を見極めて判断することになります。

清熱類の特徴として主に裏熱証を治療する食薬とありましたが、裏熱証とは体の中に悪い気が入り込み、熱や炎症が強く出ている状態とあります。

気と言う概念は中医学特有のものですが、風邪などのウィルスや細菌が外部から入り込み、熱や炎症を起こすことと解釈できます。となると、体は熱を出すことで白血球の出動を促し、患部に炎症をおこしている、すなわち、清熱類の食薬はその炎症を抑える食薬と言えます。

そう考えると、急性の炎症ですから、慢性炎症を防ぐと言う解釈にはならないのかも知れないですね。

結論から言うと、涼性の食薬は急性の炎症を抑え、温性の食薬は慢性炎症を防ぐということなのかも知れません。

目に見える炎症と、体の中でひそかに起こっている炎症、すなわち急性炎症と慢性炎症を正しく理解し食薬をピックアップすべきなのかなと思います。

慢性炎症と中医学を改めて深堀してみたくなりました!

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