世界3大長寿村のフンザ地域で食される杏(杏仁)を中医学の視点で見てみた!

昨日は世界3大長寿村とも言われた、西パキスタンの‟フンザ地域”についてご紹介しましたが、このフンザ地域で摂れる長寿の秘訣ともなっている「杏」について、中医学の視点から見て行こうと思います。
画像を見ていただくと、ちょうど果肉の部分と種の部分とに分かれたものがありましたので掲載しました。
中医学においても杏は食薬として重宝されていますが、どちらかと言うと種の部分「杏仁」に効能が多いとされています。
ちなみに中医学でいう‟仁”は果実の種子をあらわします。
杏仁は止咳平喘類に属し、読んで字のごとく、咳を止め喘息を治療する生薬となります。
帰経は主に肺で、寒性、温性により働きは異なりますが、杏仁については微温性になります。
実は杏仁には2種類ありまして、苦杏仁と甜杏仁に分けられます。先に述べたのは苦杏仁の方です。通常は杏仁というと苦杏仁を指します。
どちらも止咳平喘類ですが、苦杏仁は急性の酷い咳に用いるのに対し、甜杏仁は慢性の咳に用います。
杏の果肉部分については生薬としてと言うより、栄養分が豊富な果実として食されます。栄養素としてはβカロテン、ビタミンC、ビタミンE、食物繊維、クエン酸、リコピン、たんぱく質、そして、カリウム、鉄、リン、カルシウムなどのミネラルが豊富です。
フンザ地域の方が杏の種まで食したかどうかは、確認はしていませんが、食材を食べきると言う意味で何らかの方法で粉末にして食べていたのではと推測できるかなと思います。
私も杏は大好きです、特にドライフルーツにした杏は食べやすいですね。杏仁は未だ試したことはございません。
あと注意事項として、杏仁(苦杏仁)にはアミグダリンという毒性の成分が少し含まれています。よって過剰摂取は控えた方が良さそうです。杏仁ほどではありませんが、果肉にも微量に含まれているようですので、注意してお召し上がりください。

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