脳卒中を起こす原因がラットの実験で明らかに・・・

今日のコラムは昨日の続きになります。昨日、脳卒中は日本人の死因の第4位と申しましたが、1960年代は第1位でした。そういう意味でも脳卒中の原因究明が様々な研究機関でなされたのだと思います。

家森幸男先生も、脳卒中の研究のために脳卒中を起こす動物を作り出しました。「遺伝的に100%脳卒中を起こすラット」の開発です。

当時先生の恩師の先生方は、高血圧のラットを掛け合わせ、「100%高血圧になるラット」の開発に成功なさっていたそうです。

高血圧同士のラットを掛け合わせて行くと、100%高血圧になるラットが出来るんですね。これが人間にも当てはまるとすると、ちょっと驚きです。遺伝と言うのはそういうものかも知れませんが・・。

ただ、高血圧は脳卒中というイメージは覆され、それら高血圧のラットは脳卒中にならなかったようです。

なぜなら、自然界で脳卒中を起こす動物は人間だけで、他の動物はならないのだそうです。

そこで、試されたのが、高血圧ラット3000匹を飼い、死んだときに脳に少しでも出血や梗塞が起きているラットを、その子孫だけ掛け合わせて行ったようです。

その結果、10年の年月を経て「遺伝的に100%脳卒中を起こすラット」が誕生しました。こうして、脳卒中を起こすメカニズムが解明されていきます。

人間にしか起こらなかった脳卒中は、なぜ人間だけだったのか?ですが、人間の脳だけ進化して細かな血管が複雑に枝分かれしているためで、元の血管とは血流が逆の「逆行性の血管」があると、脳卒中ラットでもその部分が脳卒中になりやすいことが分かったのです。

高血圧との関係は、高血圧になると逆行性の血管には血液が入りづらくなり、酸素や栄養素が不足しその部分が脳卒中になるようなのです。

つまり、脳卒中は血管の栄養障害の結果であることと結論づけられました。

人間でもそれは同じで、逆行性の細かい血管が脳に多く見られる人は、脳卒中になる確率は高く、尚且つ高血圧になると主な血管から逆行性の細かい血管に血流が行かず、脳卒中を起こす可能性は高まりますね。

主な血管と同じ方向であれば、高血圧の方が血流が届きやすいため、逆向きかそうでないかの違いは非常に重要なポイントと言うことです。

そもそも複雑に枝分かれしていない動物は、脳卒中を起こすことがないのですから。

血管病の大きな原因は、コレステロールや動脈硬化だと言われますが、それは太めな血管の話しで、細かい血管で起こる脳卒中は栄養障害が原因と言うことになります。

その栄養障害が塩分と言うことになるのですが、引き続き、ラットの実験が行われますが、これは明日にいたします。

今日の画像はラットですが、このように飼われているラットを見ると、可哀そうになりますね。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

CAPTCHA


目次