天然塩にはミネラルが多く、健康的だというイメージは本当にそうなのか?

今日のコラムは昨日の続きで、精製塩と天然塩の違いを含有される栄養素から見て行きます。

精製塩は99.5%以上が塩化ナトリウムで、マグネシウム、カルシウム、カリウムなどのミネラルはほとんど含有されていません。精製される過程でミネラルが失われてしまうからです。

では、天然塩をこまめに使っているとミネラルは補給されるのでしょうか?

結果から言うと、天然塩に含まれるミネラルはごく微量で、ミネラルとしての効果はそれほど期待できません。

以下でそれぞれの含有量を比べて見てみましょう。

精製塩の食塩相当量99.5gの場合、マグネシウム85mg、カルシウム0.77mg、カリウム はほとんどなく測定下限を下回ります。

国産海塩(天日塩、釜焚き塩)の食塩相当量86.36gの場合、マグネシウム700mg、カルシウム400mg、カリウム240mgです。

ヒマラヤ岩塩の食塩相当量96.4gの場合、マグネシウム 250mg、カルシウム 311mg、カリウム 352mgです。

ちなみに、一日あたりの塩分摂取量の目標値が男性は7.5g未満、女性が6.5g未満とされていますので、仮に男性で7.5g摂取した場合の国産海塩(天日塩、釜焚き塩)のマグネシウム量は60.8㎎、カルシウム量は34.7㎎、カリウム量は20.8㎎になります。

塩分摂取量を増やせばこれらミネラルも正比例して増えますが、塩分過多の方が悪影響を及ぼすことは言うまでもありません。

ヒマラヤ岩塩に関しては、国産海塩(天日塩、釜焚き塩)よりも、よりミネラルの摂取量は少ないのです。

ちなみに、マグネシウムの予防医学的な摂取推奨量が1日400㎎とされていますから、国産海塩の60.8㎎ではまかないきれないのです。

他のミネラルも同じで、塩分を摂取することでミネラルを補給するという考えは、精製塩よりも多少ミネラルが多い程度であることから見直すべきかと思います。

精製塩と天然塩の価格が同じレベルなら、天然塩を選ぶべきですが、天然塩は精製塩の10倍前後高くなりますので、コストパフォーマンスの部分からも、通常は精製塩で十分かなと思います。

ただ、お料理へのこわだりや、塩自体の美味しさ、まろやかさ、周りの雰囲気などで、天然塩が活きる状況であれば、天然塩の価値が増すことはありえます。仮にその場合でも塩分過多には十分注意が必要です。

では、マグネシウム、カルシウム、カリウムはどのような食材を摂取すると良いのでしょうか?

明日、このあたりを見て行こうと思います。

画像は天日塩作りの様子を写真におさめたものです。

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