正常値外の「A/G比」が示す免疫の戦い~分子栄養学で読み解く、癌治療中の栄養状態

今日のコラムは昨日の続きです。肝細胞癌を患い、昨年の6月6日から化学療法をはじめ、先日14回目の投与を終えました。投与する直前に血液検査を行いますが、その検査結果をもとに現在の状態を分析しています。

昨日のコラムで経過は良好ですが、懸念材料があると申しておりました。

今日はその1つ目の懸念材料をお話ししたいと思います。。

どうしても癌治療中においては栄養状態が気になります。多くの場合、癌細胞が血管新生により栄養分を吸収してしまうからです。ただでさえ食欲が落ち気味になる上に、癌細胞が栄養分を搾取するとなると、回復が遅くなりますよね。

母の場合は、化学療法で血管新生阻害剤(アバスチン)を投与しているため、癌細胞が栄養分を搾取することは無くなりました。免疫チェックポイント阻害剤(テセントリク)との相性も良かったのでしょう。アバスチンは副作用の危険性は指摘されてはいましたが、血管新生阻害をうまく行ってくれたようです。

栄養状態を把握する血液検査の指標は、まず、ヘモグロビン(Hb)12.9g/dl(正常値11.6~14.8) と赤血球数 410 x10^4/(正常値386~492)で貧血の状態を把握できます。数値から貧血が全くないことが確認できます。高齢であり化学療法中であることを見ても、この造血能力の高さは特筆すべきことかも知れません。しっかりと酸素と栄養を全身に運べている証拠なのですが、昨年は一時貧血状態にあったこともあり、栄養をしっかり摂りだしてから改善されたと思います。最近は良く食べ、体重も増加傾向にあります。

次に、総コレステロール(TCH)248㎎/dl(正常値142~248)ですが、数値は 基準値上限ギリギリですが、高齢者の場合、コレステロールはある程度高めの方が細胞膜の材料やホルモンの原料が豊富にある状態を意味し、体力や免疫力の維持に有利に働くと言われていますので、これも合格点かなと思います。

そして、懸念材料の1つがアルブミン(ALB)3.6g/dl(正常値4.1~5.1)と A/G比 1.06(正常値1.32~2.23)です。 分子栄養学の視点から見ると、アルブミンは血液中に薬の成分やミネラルなどを運搬し、血管内の水分、すなわち浸透圧を保つためには極めて重要なタンパク質となります。

また、A/G比 はアルブミンとグロブリンの対比率ですが、グロブリンは主に免疫細胞で作られるタンパク質で、その多くは、外敵やがん細胞と戦うための「抗体(免疫グロブリン)」です。今回の数値で見ると、グロブリンは総タンパク7.0 - アルブミン3.6 = 3.4となります。よってその対比率が1.06となります。

一般的にはこの対比率が、健康な状態ではアルブミン(A)の方がグロブリン(G)よりも多いため、A/G比は「1.3以上」になります。

今回の検査結果で見ると、一般的な高齢者の場合は栄養不足で総タンパクごと落ちてしまうことが多いのですが、母はグロブリンの量が「3.4」と非常にしっかりしています。

免疫チェックポイント阻害剤(テセントリク)がしっかり効いて免疫細胞が活性化している証拠とも取れます。また同時に、日々の「麹菌やラクトバチルス菌と大建中湯による腸内細菌叢へのアプローチ」が免疫(抗体産生)を底上げしている結果とも言えるかも知れません。

癌細胞と戦うための武器であるグロブリンを体が一生懸命作っているため、相対的にGの割合が高くなり、A/G比が下がっているのではないでしょうか。

アルブミンや A/G比は、一般的な正常値の範囲内ではありませんが、分子栄養学的に見ると、決してそうではないことがわかります。ただ、アルブミンの数値が低いことも確かです。より十分な栄養素を摂取することは心がけるつもりです。

今回の血液検査で、もう一つの懸念材料があります。これはテセントリクの副作用にも関わることですが、詳細は明日見て行きたいと思います。

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