順調な治療に潜む「TSH上昇」のサイン~潜在性甲状腺機能低下症と免疫治療のリアル

今日のコラムも昨日の続きになります。昨日、化学療法前の血液検査で「懸念材料がもう一つあります」とお伝えしていました。今日はその懸念材料についてお話ししたいと思います。
血液検査結果を受けて、気になっていたのが、TSHの数値が前回、前々回に比べ高くなっていることです。あまり聞き慣れない検査名ですが、このTSHは何を表す数値なのでしょうか?
TSH(甲状腺刺激ホルモン)は脳の下垂体という場所から分泌され、喉のあたりにある「甲状腺」に対して「甲状腺ホルモンを作りなさい」と命令を出すホルモンです。甲状腺ホルモンは抽象的な表現ですが体を元気にするホルモンです。
ではこの数値が高いことは何を意味するのでしょうか?甲状腺ホルモンが体を元気にするホルモンであれば、作れば作るほど体は元気になるのでは?と考えがちですが、考え方としては逆で、甲状腺が弱くなっている状態、すなわち「潜在性甲状腺機能低下症」になっている可能性があります。
現在の状態がTSH: 8.30μIU/mL(正常値 0.61〜4.23)ですから、 非常に高い数値で命令が強くなっている状態と言えます。前回5.99、前々回4.43でしたので、急激に上がってきたと言えます。
ただ、FT4で示される実際のホルモン量を表す数値が1.05ng/dlで(正常値 0.70〜1.48)正常値を表していることから、甲状腺自体は正常に頑張って働いているとも言えます。
この状態で懸念されることは、やはり免疫チェックポイント阻害剤(テセントリク)の副作用が疑われるのかなと思います。
テセントリクのような「免疫チェックポイント阻害剤」は、免疫のブレーキを外してがん細胞を攻撃させる薬ですが、活発になった免疫が誤って正常な自身の臓器、今回は甲状腺を攻撃してしまうことがあるようです。これを免疫関連有害事象(irAE)と呼び、甲状腺機能の異常は、この治療において最もよく見られる副作用の一つとされています。
要するにがん細胞に対処するだけでなく、甲状腺にまで過剰に反応してしまうようになるということですね。
現在のところFT4が正常であること、強い倦怠感やむくみなどの症状が出ていないことから、もう少し様子見をするべきかなと思います。
先月の造影剤MRI検査において、腫瘍部分にわずかですがまだ癌細胞が確認されていますので、もう少し化学療法を続けて、次の造影剤MRI検査の結果を見て休薬できればと考えています。
ちなみに、潜在性甲状腺機能低下症の症状は以前より見られたため、チラージンは服用し続けています。チラージンの量を増やすのもホルモンが効きすぎて、心臓に負担をかけ、骨が脆くなるリスクもありますので、そこは慎重にしたいとは思いますが。
化学療法も10か月近く投与し続けてきて、効果も出ていますので、ある程度の副作用は覚悟はしてはいます。後は、自らの免疫力が最後までがん細胞を叩けるかどうかだと思います。
今日の画像は、Geminiにコラムを読み込ませて作成したものです。昨日とモデルのおばあちゃんが違います。以前に出てくれたおばあちゃんに戻りました!?(笑)昨日のおばあちゃんは、ちょっとハーフっぽいおばあちゃんでした。画像も英語表記でしたので、英語表記を日本語表記に変えてもらったのですが、おばあちゃんの指定はしませんでした。お二人とも実在する人物なのかどうかは不明です!?(笑)

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