アスリート菌と呼ばれるVeilloneraが乳酸を短鎖脂肪酸に変換していたとは?!
昨日、腸内細菌検査のレポートを書いていたのですが、今まであまり気にしていなかったVeillonera(ベイオネラ)と言う菌に目が止まりました。
どうやら、このVeilloneraと言うあまり世間では知られていないマイナーな菌ですが、アスリート菌と巷では呼ばれ、アスリートが運動下で生成する乳酸と関わっていることがわかりました。
マラソン選手と乳酸については4月1日のコラムで、「マラソン選手は乳酸を制することが生命線になる!?」と、マラソン選手がいかに乳酸の生成を抑える能力が高いか、乳酸が蓄積し始める乳酸性闘値から話しを進めていました。
そしてこの事実を裏付ける、腸内細菌のVeilloneraの存在が浮かびあがって参りました。
マラソン選手は走行が高い速度に上がるまで乳酸値は上がりません。これは体質なのか、日々のトレーニングによるものなのか、いろいろな見方がされているかとは思いますが、どうやらこのVeilloneraが関わっていそうなのです。
マラソン選手などアスリートには、このVeilloneraの保有割合が非常に高いと言うデータが出ていまして、私どもの腸内細菌検査においても、改めて確認しますと、長距離走の経験者において2名の方がVeilloneraが10%~13%程度の数値を示しておりました。
ちなみにこの2名は、学生時代の陸上経験者であり数十年前の話しで、現役ではありません。
前述のように文献としても上がっていて、そのメカニズムは、運動により産生された乳酸を腸内で代謝して、短鎖脂肪酸であるプロピオン酸に変換し、そのプロピオン酸が肝臓でグルコースを新たにつくることで運動耐容能が改善される可能性があると言うことです。
アスリート以外の方の腸内にはほとんどVeilloneraが存在していないことからすれば、活発な運動をしていくことでVeilloneraが次第に増えていったと考えるのが正しい見方なのかもしれません。
そして、さきほどの2名のうち1名の方は、学生時代の長距離走経験は40年以上前であり、その当時のままVeilloneraが存在していることにも驚きを隠せません。
腸内細菌の世界はほんとうに奥深いですね!
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